1994-95シーズンに「インテンショナル・ファウル」から変わって導入された「アンスポーツマンライクファウル」は、2026-27シーズンのルール改定によって姿を消す。
26-27 ルール改正の概要
- テクニカルファウルをカテゴリで分類
- アンスポーツマンライクファウルをディスラプティブファウルとフラジャントファウルに分割
- AOSの定義整理
- ドリブル規定の明確化
- IRSの拡大
- コート・ユニフォーム規程の変更
1. シュート動作(AOS)の定義変更
背景: トランジションやハーフコートオフェンスで、選手が意図的にシューティングファウルを誘発するプレーが増加したことへの対応です。
ジャンプシュート・移動中のシュート
| 内容 | |
|---|---|
| 開始 | 肩とボールを同時にバスケット方向へ動かし始めた瞬間 |
| 終了 | ボールが手から離れた瞬間(空中なら両足が床に戻るまで) |
ポイント: ボールだけ上げても肩が動いていなければAOS不認定。足の蹴り上げなどによるファウル誘発への対応です。
ドライブ(コンティニュアスムーブメント)
| 内容 | |
|---|---|
| 開始 | ドリブル終了または空中キャッチ後、ボールを手に収めシュートモーション継続(ギャザー)した瞬間 |
| 終了 | ボールが手から離れた瞬間 |
| 場所 | 原則としてフロントコート(3ポイントラインとバスケットの間)のみ |
共通の追加ルール
- フロントコートにいることが必須(例外:クォーター/OT終了直前・ショットクロック切れ直前のみ)
- ファウルを受けた後にパスをした場合はAOSとみなさない
- ジャンプシュートでは「バスケットに正対していない」「ボールをバスケットと逆方向に上げた」場合もAOS不認定
2. アンスポーツマンライクファウル(UF)の廃止と新ファウル2種
今回の改定で最も大きな変更がここです。UFが廃止され、「ディスラプティブファウル」と「フラジャントファウル」の2種に置き換わります。
旧ルールとの対比
| 旧:アンスポーツマンライク(UF) | 新:ディスラプティブ(DI) | 新:フラジャント(FL) | |
|---|---|---|---|
| 対象 | 試合の流れを乱す違法接触全般 | 試合の流れを妨げる違法接触(軽度) | スポーツマンシップに反する重大な違法接触 |
| ペナルティ | FT×2 + フロントコートスローイン | FT×2 + フロントコートスローイン | FT×2 + フロントコートスローイン |
| AOS中 | 得点+FT×1(または2・3本) | 同左 | 同左 |
| 失格退場 | 2回で失格退場 | 何回でも失格退場なし | 2回で失格退場 |
| スコアシート記号 | U | DI | ⊙FL(丸囲み) |
ディスラプティブファウルの判定基準
以下の3つのいずれかに該当するもの:
- トランジション阻止:守備側がボールを直接プレーしようとせず、攻撃チームのトランジションを止めるための不必要な接触(AOSを開始するまで)
- クロック停止目的:クォーター/OT終了時に、ゲームクロック・ショットクロックを止める目的での接触
- 一人で進行中の選手への後方・側方からの接触:相手バスケットに向かい、間に相手がいない状態で進行しているプレーヤーへの違法接触
フラジャントファウルの判定基準
以下のいずれかに該当するもの:
- ボールの有無に関わらず、正当なバスケットボールのプレーではない接触
- 相手への傷害を引き起こす・または可能性のある無謀・暴力的・危険な行為
- ボールや相手をプレーしようとする過度で激しい接触
失格退場の組み合わせ(新ルール)
| 組み合わせ | 結果 |
|---|---|
| フラジャント × 2回 | 失格退場 |
| テクニカル(カテゴリー1)× 2回 | 失格退場 |
| テクニカル(カテゴリー1)× 1回 + フラジャント × 1回 | 失格退場 |
ポイント: ディスラプティブは累積しても失格退場にならない。「戦術的ファウルは取るけど退場まではさせない」という新しい考え方です。
3. テクニカルファウルの2段階化
テクニカルファウルが重大度に応じてカテゴリー1(失格退場に算入) と カテゴリー2(算入なし) に分かれました。
カテゴリー1(失格退場に算入)
- 審判・テーブルオフィシャル・相手への無礼な言動
- 観客を挑発・不快にさせる言動
- 相手への挑発・嘲弄(軽微な接触含む)
- 相手の目の前に手を置いて視野を妨げる
- 接触を伴わない過度なエルボースイング
- ファウルを受けたふり(フェイク)
カテゴリー2(失格退場に算入しない)
- シュート後のボール保持による試合遅延
- スローイン・フリースローの遅延
- ハーフタイム後の遅刻出場
- リングぶら下がり(ダンク直後・傷害防止を除く)
- 最後のフリースロー時のゴールテンディング
ポイント: フェイクはカテゴリー1扱いで、失格退場に絡む重大な反則となりました。
4. ドリブル規定の明確化
ダブルドリブルの解釈を統一するため、「ライブボールのコントロールを失う」条件を明確化。以下のいずれかに該当する場合のみ、2度目のドリブルが認められます:
- ゴールへのシュート
- 相手にボールが触れられた場合
- パスまたはファンブルで他のプレーヤーにボールが触れた場合
5. インスタントリプレイ(IRS)の拡大
残り2分以内に追加
- スローイン時に守備側がファウルした際、スローインする選手がボールを手から放していたかどうかを確認可能に(ゲームクロック・ショットクロック停止を狙う守備への対応)
試合のいつでも対応(新追加)
- ファウル後のゴールテンディング・インターフェアの確認(スコアへの直接的な影響を修正するため)
- パーソナル・ディスラプティブ・フラジャントファウルの基準適合確認・アップグレード/ダウングレード
- テクニカルファウルのディスラプティブ・フラジャントへの変更
6. コート・ユニフォームの規定変更
コートのライン(第2条)
ラインの色の柔軟性が大幅に拡大。イベントブランディングや商業デザインに対応しやすくなりました。
- 境界線(サイドライン・エンドライン等)は統一色
- 各マーキング(3Pライン・フリースローライン・制限エリア等)は両ハーフで同色
- センターライン・センターサークルは他と異なる色でも可
ユニフォーム(第4条)
靴下を「見えるように着用する」という要件が削除されました。チーム全員で同色の靴下を着用することは引き続き必須です。
7. チーム順位決定ルールの明確化(付録D)
準々決勝・ラウンドオブ16など、順位決定戦が行われない段階での敗退チームの順位決定基準が明文化されました。
敗退した4チームを1グループとして、以下の順で順位を決定:
- グループフェーズでのグループ内順位
- グループフェーズの勝敗
- グループフェーズの得失点差
- グループフェーズの総得点
- それでも決まらない場合:FIBAランキング
まとめ
| 変更項目 | 概要 |
|---|---|
| AOS定義 | シュートタイプ別に開始・終了を明確化。フロントコートが原則 |
| UFの廃止 | ディスラプティブ(累積退場なし)とフラジャント(2回で退場)に分離 |
| テクニカルファウル | カテゴリー1(退場算入)とカテゴリー2(算入なし)に分類 |
| ドリブル | ダブルドリブル判断基準を明確化 |
| IRS | ゴールテンディング確認・スローイン時ファウル確認を追加 |
| コート | ラインの色の柔軟性を拡大 |
| ユニフォーム | 靴下の「見える」要件を削除 |
今回の改定は「意図的なファウル誘発の抑制」と「ペナルティの比例性の向上」が大きなテーマとなっています。特にAOS定義の変更とアンスポ廃止は、試合の雰囲気や戦術にも影響を与えそうです。
出典:FIBA Official Basketball Rules Changes 2026 (PDF)(Published June 2026 version 1.0a)

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