リーグワンのカード理由の種類
リーグワンの公式記録に記載される理由は、現在においても記録を担当する各チームによって揺れがあることは否定できないが、5種類に大別される。
- 9.1~5に規定される妨害
- 9.7に規定される不当なプレー
- 9.8~10に規定される反則の繰り返し
- 9.11~25に規定される危険なプレー
- 3.7、4.6、9.27~28に規定される不行跡
このうち、いわゆる「ラインブレイクを防いだ」としてカードが出されるのは故意の反則と呼ばれるものであり、9.7(a)に規定されている。
「オフフィールドレビュー」の定義
この定義は正式文面がいまだ提示されないので、真相は不明だ。
オフ・フィールド・レビューで検証される主な事象は以下の通り。
○ヘッドコンタクトが生じた事象
○空中でのコンタクト
○ヘッドコンタクトを伴わない危険なタックル
○ヘッドコンタクトを伴わない無謀で危険な⾏為
となっている。「主な事象」となっているので、何かしらの例外があるのかもしれないが公表されていないので不明である。別に隠す必要なんてないので出しちゃえばいいと思うのだが。
この文言から、オフフィールドレビューの対象となるのはイエローカード以上、いわゆる「ミニマムイエロー」と判断された、危険なプレーはOFRに回されることになると解するべきだろう。
「レフリーは、ファールプレーにおけるイエローカード以上の反則に対してオフ・フィールド・レビュー(Off Field Review)を実施することが可能。レフリーはプレーヤーにイエローカードを⽰し、カードを⼿に持ったまま腕を頭の⾼さで交差させる。」とあるので、レフリーは、イエローカードだけどOFRに回さないという判断はできるし、イエローカードだと思うけれどもOFRに回すという判断もできるように読める割とはっきりしないルールではある。
試験的実施ルールに過ぎないため緩くてもいいのかもしれないが、オートマチックにやった方が公平・公正な判断ができるように感じるところである。OFRの結果アップグレードになったのに、出場停止が課せられなかったり、イエローのままだったのに出場停止が課せられりする事例はあるので、見れば済む話でもないところはある。
頭部コンタクトの手順のように機械的なようで機械的でないのが「OFR」の運用方法であることは確かである。
トライライン間際の「イエローカード」のみで危険なプレーは成立するか
ここで、ボールキャリアが独走しトライライン間際で、ハイタックルやノーバインドタックルを受けトライができなかった例を考えてみよう。
この場合、ラグビー観戦者の自然な感覚からして「イエローカード」が提示されること自体は違和感を覚えるものではないと思う。その反則によってトライを防いでしまったのだからここは理解できる。
この反則が危険性が高くなく頭部接触がない場合、OFRに回されないケースがある。これも観戦者からしても違和感はない。この時、記録されるイエローカードの要因は何が自然なのか考えてみたい。
現在のリーグワンの公式記録において、このようなケースに記録されるのは「危険なプレー」である。もちろんノーバインドタックル、ハイタックルは危険なプレーであることは否定しない。しかし、OFRに回されないようなそこまで危険性が孕んでいるタックルではないのであれば、これはイエローカードの要因としてはどちらかといえば故意の反則に部類されるものなのではないかと疑問が生じる。
「トライを反則で防いだ」というのは、同じようなケースでタックルが成立した後、ラックラーがすぐに離さずにホールディングの反則をして球出しを遅らせるような行為と同等に見えてくる。この場合にカードが提示されたときに記録されるのは「不当なプレー」である。そう、不当なプレーであるのだ。
つまり、トライ間際で反則で阻止した、ラインブレイクを防いだときにイエローカードが提示されるとき、「危険なプレー」と「不当なプレー」の2つのパターンで記録されているのだ。これは個人的には不思議な記録だと感じる。
危険なプレーでカード対象となるのは、危険なプレーのうち特に危険なプレーに対して提示されるものと解するべきだろう。現在のリーグワンにおいてもハイタックルでTMOにかけられることもなくペナルティキックオンリーの事象は多々存在するのだ。
これは、競技規則9.11~25の罰が「ペナルティ」とされているように必ずしもイエローカードが紐づけられる反則ではないからともいえる。
つまりそこまで危険でも無謀でもないが反則を犯してしまいトライ・ラインブレイクを防いだとしてカードを提示するのであれば、その反則がどの内容であろうとも「不正なプレー」として処理をするべきであるように見えてくるのだ。
これが危険性がある、無謀であるのであれば「ミニマムイエロ-」であるとしてオフフィールドレビューに回すべき事象であり、回さないのであればこれは「危険なプレー」ではなく「不当なプレー」に過ぎないだろう。
累積出場停止の基準は不明で、整理する価値は?
といっても累積出場停止の基準は不明瞭な点が多く、公式試合記録を整理する価値があるのか、といわれると疑問符ではある。
普通の競技スポーツにおいては何が要因で懲罰が出されたかが明確になるのが自然であるように感じるところであるが、とりわけ日本のラグビー競技においては全国的なリーグが始まって20年経った今においても整理されていない。
今シーズンの累積をみても3回のうち2回が危険なプレーで1回が故意の反則であった場合に1試合の出場停止が課せられる選手と課せられない選手がいるのだ。
もちろんこれらには明確な基準が内部には存在するのだろうが、一般のファンからは見えるものではない。中継映像を確認すれば変わるか、といわれるが全試合の放送権をもっているJスポーツは試合日の翌々月末までしかオンデマンドで配信しないのでシーズン序盤の反則はもうすでに見れない。つまりもはやわからなくなるのだ。
リーグワンは「世界最高」を標榜するのであればこういった記録面の見える化にもぜひ取り組んでいただきたいところである。

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