天候の急変等色々あったのでまとめておく。
与えられるポイント
GT500は62周を完了し、63周目を走行中に赤旗が提示されそのままレースは終了した。
当初のレース距離は303.646km(82周)と特別規則書に明記されてい折り、75%ルールの基準となる周回は62周(229.586km=75.6%)となる。
第7条 2. 3)不可抗力によるレース中止、レース終了の取り扱い
Super GT Sporting Regulation 2023
先頭競技車両が走行距離が当初のレース距離、もしくはレース時間の75%以上を完了した後にレースが中止・終了した場合、レースは成立し各決勝レースのシリーズ得点はすべて与えられる。
第37条 2. レースの再開
Super GT Sporting Regulation 2023
レースが再開できなかった場合は、レースは中断の合図が出された時点の先頭車両が完了した1つ前の周回が終了した時点の結果が採用される。
今回のレースを振り返ると、
- レースは62周(75%)を完了した
- 赤旗が提示され、レースはそのまま終了した
- レースが再開できなかったので、第37条2の規定により完了した1つ前の周回(61周目)が終了した時点の結果が採用される。
という流れである。ということで75%は完了している以上、フルポイントが与えられる。
この類似事例はF1である。
2021年ベルギーグランプリは、3周目に赤旗が提示され結果としては1周完了時が正式リザルトとなっている。この時は2周目が完了していたため、ハーフポイントが与えられている。
2003年プラジルグランプリでは、当初は75%未満の53周の順位が採用されたものの75%基準となる54周目を超えていたことからフルポイントが与えられている。(のちに56周に赤旗であったとして、最終結果は54周に変更される)
当時のコラムの文言にあるように『75%ルールの基準となるのはあくまで「その時点でトップのクルマが何周を走り切っていたか」であって、正式結果となる周回数ではありません』という言葉が上手く表しているものだといえよう。
今シーズンより、レースの中止、終了どちらの場合においても75%ルールが適用されることになった(SGTは今までもされていたが)ので、75%を完了するかどうかにのみ着目すればフルポイントかハーフポイントかはわかるといえよう。
ちなみに、特別規則書にはドライバー交替の基準となる「当初のレース距離の2/3に相当する周回数」が明記されるが、75%の周回数は明示されないので計算する必要がある。
と思ってたけどどうも報道によると通知はされている模様。
追記:シリーズをプロモートするGTアソシエイションによると、今回の岡山戦に向けては、フルポイントでのレース成立となる最低周回数が61周だという旨が事前に競技団から各エントラントに通達されていたという。これは、今回のレースの「当初のレース距離」を300kmと解釈しているものと思われる。つまり、上記の解釈如何に関係なく61周(225.883km)を走破すれば300kmの75.2%を消化することになる、ということのようだ。
大波乱のスーパーGT開幕戦岡山、天候不良で途中終了も規定によりフルポイントが付与。当初のレース距離の75%以上を“完了”、motorsport.com, 2023/4/17
そもそも61周目だから何の争いもなかった模様。ほんとに?SNSで関係者もどっちって言っているのを見たような???
SC/FCY中のピットイン
競技規則を見てみる。
16. SCボードが提示されてからSCがピット入口に進入し、マーシャルポストで緑旗が振動提示される迄の間、すべての競技車両はピットレーンに進入することができない。
Super GT Sporting Regulation 2023 付則-3 セーフティカー(SC)運用規定
ただし、以下の場合はピット作業が許される。
1)先頭車両がSCの後方につき、残りの全車両がさらにその後方に整列しモニター上に「ピットレーンオープン」のメッセージが提示された周回からピットインができる。この際ドライバー交替を除くピット作業が許される。
2)SCボード提示時点でピット入口またはピットレーンに入っていた車両は、すべてのピット作業が許される。
3)下記17.の状況下では作業エリアへの侵入・停止は禁止される
4)これらの規定に従わなかった場合は、60秒以上のペナルティストップが課される。
4. FCYボードが提示されてからマーシャルポストで緑旗が振動提示される迄の間、すべての車両はピットレーンに進入することはできない。ピットレーン出口は解放されたままとなる。ホームストレートを走行中の車両は、ピットからコースインする車両が、ピットレーン出口のダイ2セーフティーカーラインに到達するまでは追い越しをすることが認められる。従わなかった場合は、60秒以上のペナルティストップが課せられる。
Super GT Sporting Regulation 2023 付則-4 FCY(フルコースイエロー)運用規定
これらの規定を読むと、すべての車両のピットインが禁止されている。これは、故意であろうと過失であろうともペナルティの対象となることを意味する。
この60秒というのをどう変えているのかは不明。以前は鈴鹿、富士で90秒課せられていた事例もあるが、昨シーズンは鈴鹿でも60秒、2021年はオートポリスでも60秒。
ピットレーンに入る基準はどこかとなると、結局は第1セーフティカーラインということなんだろう。とはいえ明確な文言は見当たらなかった。FCY規定のライン変更がどこまでのものに影響を及ぼすかは不明。
6. (略)ただし、FCYボード提示以前に当該車両が第1セーフティカーラインを通過している場合はこの限りではない。また判定されるラインが第1セーフティカーラインから変更される場合は、ドライバーズブリーフィング等で周知徹底される。
Super GT Sporting Regulation 2023 付則-4 FCY(フルコースイエロー)運用規定
16号車のペナルティ
いろいろ物議を醸しだしていたやつ。

No.16 福住 仁嶺 決勝結果に100秒加算(特別規則 第16条「赤旗ラインの無視」)
https://supergt.net/results
特別規則 第16条の赤旗ラインの無視で100秒加算された。60秒ストップペナルティの未消化が60+40秒加算なので、これと同等。岡山国際サーキットのピットレーン通過時間は40秒ということだろう。
この60秒ストップペナルティは、SC中・FCY中のピットインと同等のものである。
ピット出口の信号違反がペナルティストップ10秒、SCの隊列整理でミスしたときに130秒加算(90秒ストップ+スルータイム)の事例を鑑みると、赤旗ライン無視の罰則として、それでいいの?とは思うところ。
赤旗中作業は
3. (略)
Super GT Sporting Regulation 2023 付則-5 決勝レース中の赤旗によるレースの中断およびレースの再開
競技長は、自身の裁量により、タイヤ交換など競技車両に対し行ってよい作業を追加できる。
追加で作業できる内容は停止位置により変わる場合がある。
とあり、ピット作業エリア内はすべての作業は可と指定することはルール上問題ない。SC中はドライバー交替ができないとある一方で、赤旗中は記述がないため競技長が許可した作業に含まれていれば問題はない。
4. 本コース上の赤旗ラインが解除され(再スタート5分前)、(略)
Super GT Sporting Regulation 2023 付則-5 決勝レース中の赤旗によるレースの中断およびレースの再開
この時点でピットレーンの赤旗ライン手前で停止していた車両は自己のピット作業エリアへ進行することができる。
6. (略)上記4.に従いピット作業エリアに進行した車両は、SC先導によるレース再開後に作業を開始もしくは再開して、ピットからスタートすることができる。
7. 赤旗提示後にピット入口に進入した車両に優位性が発生した場合、SCが退去した後にペナルティが課せられる。
赤旗ラインが解除されるのは再スタート5分前で、この時点で自己のピット作業エリア進行することができる。ピットでの作業が許可されている場合は、進行と同時に作業できると考えてよいのだろう。
今回の場合、すでにスバルがトラブル修復のため(GT500の48周目でコースアウト)にピットにおり、競技長はこのこと意識してピット作業をすべて許可していた可能性はある。なおスバルは48周目にFCYが提示され、その後ピットインしたので60秒ペナルティストップが課されている。
その後結果的に赤旗が提示され、赤旗ラインを無視した車両が出てしまったというところなのではないだろうか。規則上の文面で言うと、競技長は「停止場所」により追加できる作業が変わるとあり、車両ごとに指定するわけではない。
今回の裁定は、「赤旗ラインの無視」によるものでSpR付則5-7については触れられていない。赤旗ラインの無視なので、この条文も適用対象になるように読めるが、優位性が発生しなかったと判断されたのだろうか?ただ、赤旗ラインの無視と赤旗時にピットに入って利益を得ることは別物で、ベナルティを受ける前の時点では5位にいたわけで、明らかに利益を得ているように見える。このことに対してのペナルティが課されなかったことは謎である。(文面からしても「課せられる」なので、課すことができるではなく必ず課されると解釈できる)
赤旗再開手順
赤旗再開時に、GT300がすべて謎に1周する現象。
8. レース再開は、以下のスタート進行の後、本シリーズ規則第32条18.に従いSCによる例外的スタートと同様に行われる。以下の運用は付則-3「SC運用規定」17.に従うものとする。
Super GT Sporting Regulation 2023 付則-5 決勝レース中の赤旗によるレースの中断およびレースの再開
1)5分前ボード:これ以降提示されるいずれのボードも警告音を伴うものとする。このボードが提示されたら上記3.に列記された作業を含みすべての作業が禁止される。各クラストップ車両と赤旗ラインの間に位置する車両はオフィシャルの指示で、コースを一周して順位を入れ替えることなくグリッド後部につく。
赤旗提示後に停止した順番は、GT300-SC-GT500の順ではあった。とはいえ、GT300のクラストップと赤旗ラインの間に車両は存在しておらず、何のために1周したのかは謎。
おそらく解釈ミス。
SCランプ消灯後の再点灯
7. オレンジライト点灯中、すべての競技車両はレース中SCの後方に車両5台分以下の車間距離を保ち整列する。
Super GT Sporting Regulation 2023 付則-3 セーフティカー(SC)運用規定
12. 競技長がSCを呼び戻す時は、SCはオレンジライトを消灯するものとする。これはSCがその周回を終了した時点でピットレーンに入ることの合図となる。(略)
SCがピット入口に進入すると同時に、マーシャルポストの黄旗とSCボードが撤去され、それらに変わり緑旗が振動提示され、スタートラインで緑色灯火が点灯する。これらは、最終の車両がスタートラインを通過するまで提示される。
再点灯されたらSCが続く的なことがどこかにあるかともったけど、なかった。まぁ緑旗が振動提示されるかどうかがすべてなんだろう。
今の時代は無線あるけど、続くのかってわかりくそう。
個人的な疑問
長い事後タイムペナルティの是非
規定上はタイムペナルティになるのはわかる。
100秒の加算は、もしレース中に課せられていたら1周少なくなる。それなら1周減算のほうが適切では?という話。
これはF1やWEC、スーパーフォーミュラならばさほど問題はないが、SUPERGTにおいては問題がある。
チームポイントの存在である。このチームポイントは各クラスの先頭車両と同一周回かどうかによってポイントが変化する特徴がある。
今回100秒の加算ペナルティを受けた16号車は11位となったが、同一周回なので、チームポイントは3獲得している。一方で1周足りていない100号車、37号車はチームポイントは2である。
そう、レース中に60秒のストップペナルティを受けた100号車と37号車は1周遅れているのに、事後加算されたチームは同一周回なのだ。これはちょっと不平等なように思う。
なお、GT300で今回100秒加算は6号車と61号車。こちらは3周以上周回差があるのでチームポイントは1となっており影響はない。
正式結果というよりも、チームポイントの付与システムを変更するべきなんだろう。平均周回時間の何パーセント以上の差は1周減扱いでチームポイント付与とか。時たま1ポイント争いになるときもあり、平等感は個人的には大事だと思う。
レースコントロールメッセージは中継に出せないのか
SUPERGT長年の疑問。基本的に出さない。ペナルティは、たまに出す。車両を映したカメラ映像と同時に。
実況・解説がタイミングモニタを見て拾ってくれれば、視聴者走ることができるがそうでないと知ることはない。それこそ、公式リザルトがでてそのメッセージで知るぐらいか。(あとはチームのSNSとか)
スーパーフォーミュラ、WEC、F1、FEと基本大体文字情報として画面に載せてる気がするけど、ここまでかたくなに出さない姿勢は謎。すべてを出すべきかは議論があってよいと思うが、「接触検証中」というメッセージを出すだけでもちゃんと見てくれているという印象は与えられるはずなのだ。
接触検証中→ペナルティなのか、そもそも問題にしかされていないかでは意味が違うし、視聴者の受け止め方は変わるように思う。
レースは審判という存在が見えないが、競技である以上審判は存在していて判定するのだ。その発信が適切に行われないと、競技としての不信感を招きかねないように思う。
中継の文字情報の雑さ
Jスポ中継は、順位が消える時間が多い。何がいけないんでしょうね。
全チームが常に映るわけがないのだから出しておけばよいのに、と。あの上に出るバーは5チームしか出ないので何を伝えたくて作ったのかは理解できない。レイアウトが他の競技と似てしまうのが嫌なのか?
GT300の頑なに20位までしか出さない表示とか。
複数クラスがあるWECの画面構成のほうが確実にわかりやすいと思う。
金の問題?でも別に情報は持っているはずだし、システム1回作ればいいだけなのに??
雷避難の赤旗で、メインストレートの赤旗ラインの整列は安全?
雷のために赤旗が提示されたわけではあるが、メインストレートに停車した。ドライバ―がおり、メカニックがカバーを掛けにいく。
もちろん安全のために止めるのは理解できるし、ルール上そこにとまるのはわかる。
でもこれって本当に安全なんですかね?
扱いとすると「コースが完全に閉鎖された場合はオフィシャルの指示に従うこと」とあるので、一応ピットに戻すことは不可能ではなさそうではある。作業禁止だ云々がいろいろあるので面倒だとは思うが。
原則赤旗ライン手前で整列する。それはいいけど本当に安全なのか?とちょっと思うところ。だって雷からの危険回避でレースを止めているのに、そんなに人がぞろぞろ出たり作業したり。ちょっと疑問。
最後の赤旗もメインストレート整列するべき?
赤旗出すときに終了決まってそうだし、ピットに入っちゃってもよいのでは?
もちろん再車検対象車は別ではあるが。メインストレートに並んでいた方が現地の観客がとかもあるのか?
雷だ雨だって言ってるときに、結局屋外に並べているわけだし壊れてもあれですしね。悪天候時はイレギュラーな対応をしても誰も起こらないと思うけど、どうにもならないもんなんですかね?
まぁ普通に表彰式やってるレベルだから問題ないんだろうけど、ならなんで赤旗?とも思う。
雷で赤旗だとしたら屋根のない場所で表彰式するのもねぇ。。。

(中継映像より引用)
これだけカバーかけなきゃいけないような車両たちを、そこに並べておくのってどうなんだろう。何にも良いことなくない?ピットレーンが表彰式で混雑するから?
もうちょっとうまくできないんですかね?

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