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アリーナ反対派が市長選に勝った話

Bリーグ
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※現市長:浅井氏、新市長:長坂氏(2024/11/12時点はまだ就任していないため)

そもそものプロセス

反対派のホームページを見るのがよい。

スタートは、佐原市政時に計画が始まる。Bリーグのスタートを契機としたアリーナ建設ラッシュの始まり時に構想が始まったといってもよいだろう。ちょうどそのころスポーツ庁の「スタジアム・アリーナ改革」が打ち出されたタイミングでもあった。

4年前、2020年11月に豊橋市長選挙が行われ、浅井氏(連合愛知推薦、日本共産党自主支援)が現職を破って当選する。丁度コロナで現職が破れる傾向があったタイミングの選挙でもあった。この選挙前に、浅井氏は公開質問に対し「豊橋公園以外で着手時期は未定」と回答していた。

2022年5月、豊橋市は、新アリーナの建設予定地を豊橋公園に選ぶと発表すると、反対派が公約違反を主張。

2022年11月、アリーナ建設可否を問う住民投票条例の制定請求、23年2月に議会が否決。(市HP

2023年4月、反対派の市民団体が準民訴訟を提起。同月、豊橋市議会選挙。

2023年5月、市は豊橋球場を解体し、新アリーナを建設すると発表。(東愛知新聞

2023年10月、アリーナ建設可否を問う住民投票条例の制定請求、24年2月に議会が否決。(市HP

2024年5月30日、市が調査報告書に日付偽装があったことを発表。

同日、落札企業の発表。6月に基本協定、9月、特定事業契約締結。

そして、今回の選挙はなぜか自民党と公明党(現職)は分裂し、アリーナ反対派の長坂氏が当選した。

市長の専決処分で契約解除はできるのか

現状は、新市長はまだ就任前。

中日新聞の報道によると、市の要請で一旦工事は中断された模様。(とはいってもこの状態で止めて何にもならない気もするが……)

新市長は、解除をすると各種メディアでも報じられておりその通りに進むのだろう。専決処分をするのだろうが、議会の承認が得られるかは謎。といっても解除してしまえば法的には有効になるのが通例。

第百七十九条

  1. 普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第百十三条但書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会を招集する暇がないと認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。
  2. 議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
  3. 前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。

第百八十条

  1. 普通地方公共団体の議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは、普通地方公共団体の長において、これを専決処分にすることができる。
  2. 前項の規定により専決処分をしたときは、普通地方公共団体の長は、これを議会に報告しなければならない。
地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)

第179条規定は、議会が成立しない場合や緊急を要する場合など。第180条規定は、議会の委任によるもので、軽易な内容であるもの。

豊橋市の市長の専決事項は以下の条例である。

○市長の専決事項の指定について

地方自治法第180条第1項の規定により、次の事項は市長において、これを専決処分することができるものとする。

1 1件100万円以内において市の義務に属する損害賠償の額の決定に関すること。

2 財源を負担金、補助金、交付金、委託金及び寄附金とする特定財源による金10万円未満の歳入歳出予算の補正を行なうこと。

3 議会の議決を経て締結した工事又は製造の請負契約について契約金額の10分の1の額(その額が1,500万円を超えるときは、1,500万円)以内の金額に係る変更契約の締結をすること。

4 目的の価額が1件100万円以内の訴えの提起、和解及び調停に関すること(5に規定するものを除く。)。

5 市営住宅の家賃等の支払又は明渡しに係る訴えの提起、和解及び調停に関すること。

市長の専決事項の指定について(昭和38年3月19日 会第2号議決)-豊橋市例規類集

ということで、第180条規定による専決処分はほぼ無理。

とはいえ、解除の通知はできるはず。そのうえで、新市長が言う通り事業者がどう出るかだろう。専決処分はしようとするんだろうけど、法律に合致しているのか謎。

第 107 条(市の任意による解除、市事由による解除)
1 市は、本施設等を他の公共の用途に供することその他の理由に基づく公益上やむを得ない必要が生じた場合又はその他市が合理的に必要と認める場合には、6ヶ月以上前に事業者に対して通知することにより、本契約の全部又は一部を解除することができる。
2 市の責めに帰すべき事由により、市が特定事業契約上の市の重大な義務に違反し、本事業の実施が著しく困難になった場合において、事業者から 150 日以上の当該不履行を是正するのに必要な合理的期間を設けて催告を受けたにもかかわらず、当該期間内に当該不履行が是正されないとき又は特定事業契約の履行が不能となったときは、事業者は、解除事由を記載した書面を市に送付することにより、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
第 108 条(法令改正・不可抗力による解除)
特定事業契約の締結後における法令改正又は不可抗力の発生により、次の各号に掲げるいずれかの事由に該当する場合には、市又は事業者は、相手方と協議の上、特定事業契約の全部又は一部を解除することができる。
(1) 本事業の継続が困難と判断したとき。
(2) 特定事業契約の履行のために多大な費用を要すると判断したとき
第 118 条(損失補償)
1 第 107 条(市の任意による解除、市事由による解除)第1項の規定により特定事業契約が
解除された場合には、PFI 法第 30 条の規定に基づき、事業者は、当該解除に起因して事業者
に生じた合理的な範囲の費用(ブレークファンディングコストその他の金融費用を含む。)及
び通常生ずべき損失(ただし、事業者の逸失利益については2年分を上限として市と事業者
で協議して定める。)の補償を求めることができる。

特定事業契約の締結について(令和6年9月27日)

市による解除は第107条、損失補償は第118条で定めて契約している。230億円の契約金額で、契約期間は1か月ちょっと。といっても6か月以上前に通知なので、解約できるのは半年以上後。

損失補償は、230億円規模の契約で100万円以下になるわけもないので、どこかで議会の議決を得なければいけないのは明らか。そもそも議会は住民投票条例を2回否決しているのだ。こんな議案を通すとも思えない。

つまり、ここから泥沼の争いが始まっていきそう。

自民・公明が分裂した謎

今回、反対派の新市長が誕生したが、現市長は連合愛知、公明党地域支部が推薦し、自民党地域支部は元市議会長を推薦と分裂した。2020年選挙では、自民・公明はともに現職相乗りだったのにである。

公明と連合愛知が同じ人を推すというのも興味深いが、ここが分裂しなければこのアリーナ危機は発生しなかったわけで、よくわからない争いをしていることに尽きる。

https://www.city.toyohashi.lg.jp/secure/9867/shigikai_343.pdf

なぜか最大会派の自民党と第2会派の公明党で分裂選挙。連合愛知系が、まちフォーラム。市長となった長坂氏は当時は豊橋だいすき会所属。

これまで自民・公明で会派を持っていて市議会は優勢、今回の市長選も得票を合算すれば賛成派のほうが多くそれなら先に住民投票をしておけばよかったのではないか、とすら思うところ。

市も日付偽装を行っていたりと杜撰な点は見受けられるし、現市長も発言と総括のプロセスの見せ方が下手だった点もあり、反対派に燃料を与えた感は否めない。とはいえ、本当に推進する気があるのであれば、いっそのこと住民投票をして賛成多数となってしまえば問題ないわけで、頑なにせずにそのうえ市長選にも負けるというおまけつき。

1回目と2回目の間には豊橋市議会選挙も行われており、住民投票を行っても問題なかったような気がしてならない。これで新市長によって、契約解除となったとして市政全体の結果がちぐはぐだったところはあるのだろう。

浜松アリーナ借用の道

現実的なラインは結局ここなんだろう。豊橋がやる気なくて、オーエスジーが民設で作らないのであれば近隣の既存改修に便乗するほかない。

令和5年度のスタジアム・アリーナ改革推進事業の先進事例形成支援に「浜松アリーナ」がある。ここには、「高度化するB1リーグとSVリーグの基準に対応する改修を想定」「プロスポーツチーム(バスケットボール、フットサル、バレーボール)の試合開催」が掲げられており、計画通りに進めば新B1規格のアリーナとなる余地がある。計画は2028年度供用開始。この通りに進めば間に合う。

この浜松アリーナは、メインはSV準加盟の「プレス浜松」がメインターゲットではあるが、間に合わなくて代替という例はほかにもあるので、いったん便乗するという方向性はありそう。

契約解除といっても、新市長就任日に解除ができるわけもなく、今後の行く末に注目したい。

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