前回の続き。
ここでは、スラムダンクの時代にはなかった概念を紹介しよう。
スローイン
ファウルやアウトオブバウンズの際に、最も近い位置からスローインをするように変更された。(1995年)つまり、このタイミングで、エンドラインのアウト・オブ・バウンズからのスローインが誕生した。
トラベリング
2018年に0ステップが認められる。それまでトラヴェリングだったのに、ここはトラベリングに変更される。この方針は謎。(同時にピヴォットフットがピポットフットに変わる)
動きながらボールを受け取った場合やドリブルをしていたプレイヤーが止まるとき、足が床についていた時はその足(片足の時、両足であれば先に離さなかった方)がピポッドフットとされていたが、2歩までステップが踏めるようになった。文章で書いても分かりにくいのは言うまでもない。

上記画像のように、(2)で示されたパターンがリーガルなステップとして認められるようになった。
ノーチャージングセミサークル
2011年から描かれるようになった。ボールをコントロールして、ドライブするプレイヤーが、ノーチャージングサークルにいるディフェンスに対して、ノーチャージングセミサークルを超えて接触してもチャージングがとられなくなる。ボールをコントロールしていないプレイヤーであれば、接触に対してファウルは宣せられるし、手、腕、脚、体によるファウルも宣せられる。

2013年ルールまでは、ノーチャージングセミサークルのラインはエリアに含まれなかったが、2015年から含まれるようになった。同時に、両足がノーチャージセミサークルエリアにあることが求められていたが、2015年より片足が触れていてもエリア内とみなされるようになった(上図の形)。
スローインライン
2011年からコートに書かれるようになったスローインライン。
当初は、第4ピリオドと延長時限の残り2分間で、バックコートからスローインをするチームがタイムアウトを取った場合、フロントコートのスローインラインから行うように変更された。
2019年からは、第4ピリオドと延長時限の残り2分間で、バックコートからスローインをするチームがタイムアウトを取った場合は元の位置かフロントコートのスローインラインかを選択できるようになった。(フロントコートのスローインラインを選択するとショットクロックは14秒にリセットされるので競っている試合では時間の消費という意味で選択の余地がある)
また同年から、アンスポーツマンライクファウル、ディスクォリファイングファウルの罰則につくスローインも、フロントコートのスローインラインから行うようになった。
0.3秒規定
2011年に、ボールをつかんでからシュートをする場合は、「0.3秒以上」が必要と明記された。
0.3秒未満の場合は、直接タップや直接ダンクで入れなければ得点が認められないこととなった。(16.2.5)
フェイクファウル
2018年ファウルをされたふりをしたり、大げさに演技することが「フェイクファウル」として定義された。(現行ルールは単に「フェイク」と表している。)
テクニカルファウルの箇所には「ファウルをされたように見せかけるために床にたおれる」と、2005年の時点で明記はされているが、たおれることが条件ではなくなったので、より厳しくなったといえるかもしれない。
ドリブル
バックボードを狙って投げる行為はドリブルとみなされなくなった。(2019年)
審判の呼び方
主審がレフリー、副審がアンパイヤと長らくなっていたが、2018年からクルーチーフ、アンパイヤに呼称が変わった(競技規則上は2018年に変わったがスコアシート出変わるのは2019年)。
とはいえ特段それ以外の変更はない。
背番号規定
2013年ルールまでは、「4から15なでの番号を用いなければならない」とされており、高校や中学では4~20ぐらいまでの数値が使われることが多かった。
2015年にこのルールは変更され、「0,00および1から99まで」とされ、任意に選べるようになった。近年では高校の強豪私立なんかは好きな番号をつけているように思う。
審判のTOレポートで、16以上の背番号の場合は変更され、手の甲を見せ10の位を表すように変更された。

IRS(インスタントリプレーシステム)
いわゆるビデオ判定。2018年から明記されるようになった。(FIBAルールは2014年から)
変更はいろいろされているが現状できるのは、
①クォーターとオーバータイムの終了時で
(1)シュートと時間が終わるののどちらが先か
(2)表示する時間は何が正しいか
②第4QとOTの2:00以下の時で
(1)シュートとショットクロックのブザーのどちらが先か
(2)ファウルとショットの動作のどちらが先か
(3)ゴールテンディング、インタフェアランスの有無
(4)誰がボールをアウトオブバウンズにしたか
③いつでも
(1)ショットが2点か3点か
(2)フリースローの本数は2本か3本か
(3)パーソナル・ファウル、アンスポーツマンライクファウル、ディスクォリファイングファウルの判定が正しいか
(4)ゲームクロック、ショットクロックの時間特定
(5)正しいフリースローシューターの特定
(6)ファイティング規定
と案外いろいろ定義はされている。
2023年規定からは、ヘッドコーチチャレンジが明記され、ヘッドコーチの要請によりIRSを使ってチェックが行われるようになる。Bリーグは2022-23シーズンより導入され、できるものは上記のいつでも審判が確認できるとされている項目に対して要求できる。FIBAルールでもBリーグでも1試合で1度だけ。
バスケって数十点入るゲームなのに、1回だけで意味があるかは不明。
とはいえ、そのうち失敗したらタイムアウト没収で、タイムアウト回数まで見たいなのになる気がしなくもない。現状IRS中はベンチに戻ってはいけないので、その辺の整理は必要だけど、ゲーム止まるんだしヘッドコーチチャレンジはタイムアウト扱い的な感じでいいようには思う。
終了間際のファウルの時のゲームクロック
2023年より、クォーターやオーバータイムの終了間際にファウルが宣せられた場合、ゲームクロックは最低0.1秒が表示される。ただ2022年規則の解説8-2に同様の記述はあるため実質変わらない可能性がある。
ファウルが起きたその直後あるいはほとんど同時に、各クォーターや各オーバータイムの競技時間の終了のブザーまたはショットクロックのブザーが鳴ったときに、ボールがまだショットの動作(アクトオブシューティング)中のプレーヤーの手の中にありその後ショットが成功しても、得点は認められず2本または3本のフリースローが与えられる
OFFICIAL BASKETBALL RULES 2022 バスケットボール競技規則、公益財団法人バスケットボール協会
という規定が削除される。ファウルがあった時点で笛が鳴り、ゲームクロックは止まっているからショット動作が一連でそのまま入っていれば、得点を認めFT1本、入らなければFT2本or3本になるということだろう。
2020年競技規則
クォーターやオーバータイムの終了を知らせるゲームクロックのブザーが鳴ったとき、あるいはその直前にファウルがあった場合、その罰則のフリースローはそのクォーターやオーバータイムが終わった後に行われる。
2021年競技規則
プレーのインターバル中にファウルが宣せられた場合、その罰則のフリースローは次のクォーターやオーバータイムの開始時に行われる
と、2021年に変更されており、終了間際のファウルで、フリースローだけやってクォーターを終わるというシチュエーションは2021年の時点でなくなったのだろう。
参考文献・資料
- 2005~バスケットボール競技規則、(財)日本バスケットボール協会
- 2007~バスケットボール競技規則、(財)日本バスケットボール協会
- 2009~バスケットボール競技規則、(財)日本バスケットボール協会
- 2011~バスケットボール競技規則、(財)日本バスケットボール協会
- 2013~バスケットボール競技規則、公益財団法人 日本バスケットボール協会
- 2015~バスケットボール競技規則、公益財団法人 日本バスケットボール協会
- OFFICIAL BASKETBALL RULES 2018 バスケットボール競技規則、公益財団法人バスケットボール協会
- OFFICIAL BASKETBALL RULES 2019 バスケットボール競技規則、公益財団法人バスケットボール協会
- OFFICIAL BASKETBALL RULES 2020 バスケットボール競技規則、公益財団法人バスケットボール協会
- OFFICIAL BASKETBALL RULES 2021 バスケットボール競技規則、公益財団法人バスケットボール協会
- OFFICIAL BASKETBALL RULES 2022 バスケットボール競技規則、公益財団法人バスケットボール協会
- 2022 FIBA バスケットボール競技規則 変更点サマリー 20220810、公益財団法人日本バスケットボール協会
- 2022 OFFICIAL BASKETBALL RULES, International Basketball Federation
- ルールの変遷 I、香中亮一、NPO法人 日本バスケットボール振興会
- ルールの変遷 II、田邊正道、NPO法人 日本バスケットボール振興会


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