2022年7月にルール改正が行われました。そのルールを確認しておきましょう。
2022年7月のルール改正
以下の項目がルール改正で変更されました。
- 50:22の正式採用
- ゴールインドロップアウトの正式採用
- フレイングウェッジに対する反則の正式採用
- ジャッカラーへの安全に関するルールの正式採用
- 単独のプレーヤーによるラッチングに関する競技規則をファーストアライピングプレーヤーのものに従って適用する
- 競技規則の明確化、軽微な変更の競技規則化
また、次の項目が世界的試験実施ルールとして採用されています。
- ブレーキフットの世界的試験実施ルールの採用
- メディカル、テクニカルゾーン、ウォーターキャリアーのプロトコルの改正
- TMOプロトコルの改正
それでは順にみてみましょう。
競技規則の改正点
改正点は、2022年8月に試験実施ルールとして採用されたものが基本的なものとなります。つまり、昨年は試験ルールだったものが正式採用されただけですので、変更とは感じないかもしれません。
50:22
ボールを保持しているチームが自陣の内側からボールを蹴って相手陣の22メートルラインより内側で間接的にタッチになった場合、その後のラインアウトではそのチームがボールを投入する。50:22を行うために、ボールを防御側の陣内にパスバック、または、キャリーバックすることはできず、防御側の陣内からフェーズが始まらなければならない。
世界的試験実施ルール(通達)、公財)日本ラグビーフットボール協会、2021/7/19

ハーフラインより後ろ側からボールを蹴り、バウンドしたのちに、相手陣の22メートルラインより内側でタッチになった場合は、ボールを蹴ったチームがラインアウトを投げ入れます。つまり、陣地を回復をするとともに、ボールを保持したままとであるから、活用できるとチャンスが多く生まれることとなる。
ゴールラインドロップアウト
インゴールにおいてボールがヘルドアップとなった場合、インゴールにいる攻撃側のプレーヤーによるノックオンがあった、または、攻撃側のキックをディフェンダーが自陣のインゴール内でグラウンディングしたこととなり、ゴールラインに沿った任意の地点からのゴールラインドロップアウトでプレーを再開する。
世界的試験実施ルール(通達)、公財)日本ラグビーフットボール協会、2021/7/19

コールラインより後ろのインゴールで、ヘルドアップになる、攻撃側のノックオン、相手が蹴り込んだボールを守備側がグラウディングした場合に、ゴールラインに沿った位置からドロップアウトになった。
攻撃側のノックオンは、5mの位置からの守備側ボールのスクラム、インゴール内のヘルドアップは5mの位置から攻撃側ボールのスクラム、相手が蹴り込んだボールを守備側がグラウディングした場合は、22mラインからのドロップアウトと、ボールの所有権からして変わったものもある。
22mラインからのドロップアウトが消滅したわけではなく、攻撃側が、タッチインゴールの中でボールを外に出してしまった場合などは、22mライン地点でのドロップアウトで従来通り再開される。(第12条11、第21条4、11)
フレイングウェッジに対する反則
フライングウェッジの定義を見直し、3名があらかじめバインドしているミニスクラムに対して制裁を科す。
世界的試験実施ルール(通達)、公財)日本ラグビーフットボール協会、2021/7/19
競技規則上は「チームは 、「フライング・ウェッジ」をしてはならない 。(第9条22)」としか書かれていない。
フライングウェッジの定義は
フライングウェッジ(Flying wedge): 違反に類する攻撃であり、通常は相手ゴールライン近
競技規則Ruguby Union, p.18, 2022
くで 、ペナルティ、フリーキック 、または 、オープンプレーにおいてのいずれかから行われ
る 。味方プレーヤーが相手にバインドする前にボールキャリアーの両側をウェッジの形にバ
インドする 。しばしばこれらの味方プレーヤーがボールキャリアーの前方に位置しているこ
とが多い 。
とあり、ボールキャリアと一緒に突っ込んでいける人は1人までに規制され、守備側のタックラーの安全性を高めようとする動きであろう。
ジャッカラーへの安全に関するルール
下肢を狙った、または、下肢に衝撃を与えるようなクリーンアウトに制裁を科す。
世界的試験実施ルール(通達)、公財)日本ラグビーフットボール協会、2021/7/19
第9条20. dに条文が追加された。
プレーヤーは、ラックにおいてジャッカラーを争奪の外に押し出すことができる
競技規則Ruguby Union, p.56, 2022
が、自分の体重をかけたり、下肢を狙ったりしてはならない。
条文の通り、ジャッカルに言ったプレイヤーを剥がすために、体重を掛けたり、下肢を狙うことが禁止され、安全を向上させる狙いがあるといえるだろう。
単独のプレーヤーによるラッチング
コンタクトの前に1名だけプレラッチングすることを認めるが、そのプレーヤーはファーストアライビングプレーヤーの要件のすべて(特に立ったままでいること)に従わなければならない。
世界的試験実施ルール(通達)、公財)日本ラグビーフットボール協会、2021/7/19
競技規則の明確化
JRFUが発表した資料に記載のように、他の条文と一貫性を持たせるためや、明確化を図るために文面が修正されているが、基本的なルールに変更があるものではないだろう。
ブレイクダウンへのサイドエントリーに関するガイドラインが、7月18日から施行されより安全にフォーカスした競技運営がされていくことになった。
世界的試験実施ルール
7/1から適用されているので、7月以降に行われた日本代表の試合などでもこのルールは採用されて行われてきたが、確認しておこう。
ブレーキフット
ブレーキフットという概念が追加された。
ブレーキフット(Brake foot):フッカーが、安定性を高めるため、また、軸方向への負荷を避けるため、トンネルの中央で片足を前方に置くこと。エンゲージメントシークエンスの「クラウチ」および「バインド」の間を通してずっとこの位置に置く。その足を引くのは、「セット」の後、そして、ボールに当てる前でなければならない
(通達) 競技規則の条文改正 【競技運営】 添付資料より
「セット」と声がかかるときに、ブレーキフットの足が外れスクラムが形成され、ボールが投入されるトンネルができる。文面にもある通り、スクラムにおける負荷をいかに減らすかを考えて作られたルールといえよう。
メディカル、テクニカルゾーン、ウォーターキャリアー
給水ができるタイミングの厳密化によっていろいろ書かれるようになったという表現でいいと思う。
原則として認められた給水時間のみしかウォーターキャリアーは立ち入れず、キッカーの時のキックティーを運ぶ時にボトル1本、メディカルスタッフが治療の時に水を持ち込める。
このルールの意図は、不必要に試合が止まる時間を減らし、ゲームの流れを改善することを目的としている。(参考)
TMOプロトコル
ワールドラグビーとしては、すでに慣習と化しているものを正式にルール化したとしている。(参考)
どこかの記事で「明らかな判定の意義がある場合に限る」とあったが、TMOプロトコルのあらゆるところに「Clear and Obvious」と書いてあるのでそういうことではあるだろう。
昨シーズンは無駄なTMOも多かったようには思えるが、果たしてそれが改善されるのか気になるところではある。

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