正式名称は「S-V.LEAGUE」らしいが、結局ハイフンとかドットとかややこしいし、結局表記は「SVリーグが多くなる気がしてならない。ハッシュタグは使えないし、Bリーグも「#bleague」なので、「#SVleague」とかその辺になりそう。
2024-25シーズンからのクラブライセンス交付規則
2024-25シーズンからのクラブライセンス交付規則が6月23日に公式HPで発表された。
概要資料の上で新設としている点は以下の通りである。

人材面で言うと、極端な話雇えばよい。
となるとやはり課題はアリーナとクラブハウス、ユースチームの拠点練習場所といったハード面か。
ユースチームの保有となると、今まで許されていた教室ではいけなくなり、選手を集める必要がある。すなわち、男女が同じ都市に本拠を構えている分には何ら問題は生じない一方で、拠点が近い場合選手を取り合うことも意味する。完全に同一市がホームタウンとなっているチームは現時点ではないとは言うものの、男子では愛知県三河地区の碧南市、刈谷市、みよし市にチームがあり(知多市、稲沢市にもある)、大阪には人口が多いとはいえ隣接する大阪市、東大阪市にチームがあることをはじめ計6チームが拠点を構える。女子でも愛知の刈谷市、西尾市にチームがある。
クラブハウスというハードが求められることからも、ライセンス基準が発表されてから早々に移転することは考え難く、準ホームが空白地だから移転という英断は否定できないものの基本的にはそのままの地域で当面は活動することを予想する。
隣接するが故に、隣接市町村に5000人規模のアリーナがある場合、集客等の兼ね合いから新設はより困難であるともいえるし、近接市町村にSVリーグを目指すチームがある場合、少々難しい点があるようには感じるところだ。
アリーナ基準は29-30シーズンまでは、3,000名
アリーナ基準は29-30シーズンまでは、3,000名だ。つまり、5,000名のアリーナの当てがあることを求めているようには読めないし、1シーズン目の参戦に際して、それを用意しなければならないわけではない。
つまりは、アリーナ基準における絞り込みは29-30シーズンであって、まだ移行期間と考えてよいように思う。ただし、30年以降のシーズンにおいては、別途新設であっても5000名以上の入場を求めているので、7年間でどう動いていくかは早急に定めるべきであろう。
つまり、7年間と猶予があるので、Bリーグが始まり、新Bリーグへ移行するような形をイメージしてもあまり変わりはないように思う。SVリーグ/Vリーグと形は24-25シーズンから変わるが、本質的な変化が訪れるのは、30-31シーズンからといってもよいだろう。
母体の法人格の変更
申請者は株式会社としての法人格を有していなければならず、かつ取締役会設置会社でなければならない。
Vリーグ機構 クラブ SV ライセンス交付規則
本基準は 2024 年から始まるシーズンから 2027 年で終わるシーズンを猶予期間として、この期間に限り理事会設置の公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人および特定非営利活動法人(NPO 法人)の法人格を認める。
母体会社の法人格の点が、「取締役会設置株式会社」とされた点は興味深い。興行をより意識し、ちゃんと稼ごうといった意識の表れだととらえているが、現時点で認められていた「一般社団法人格」のチーム等は、新たに会社を作る必要が生じることになる。
株式会社を母体としないチームは、内定チームを含めて19チームある。
- 一般社団法人上尾中央医科グループ協議会(埼玉上尾メディックス)
- 一般社団法人近畿クラブスフィーダ
- 一般社団法人つくばユナイテッドサンガイア
- 一般社団法人KUROBEアクアフェアリーズ
- 一般社団法人東京ヴェルディクラブ
- 一般社団法人ブレス浜松
- 一般社団法人千葉ライズ(千葉ZELVA)
- 一般社団法人ネオバレーボールクラブ仙台(リガーレ仙台)
- 一般社団法人福岡ウイニングスピリッツ
- 一般社団法人鹿児島スポーツプロモーション(フラーゴラッド鹿児島)
- 一般社団法人アルテミス北海道
- 一般社団法人カノアスポーツ振興会(カノアラウレアーズ福岡)
- NPO法人阪神バレーボールコミュニティ
- NPO法人アザレア・バレーボール振興会(埼玉アザレア)
- NPO法人NBK dreamers(奈良ドリーマーズ)
- 医療法人青雲白鷲会三好内科・循環器科医院(大分三好ヴァイセアドラー)
- 医療法人社団天宣会(千葉エンゼルクロス)
- ぎふ農業協同組合(JAぎふリオレーナ)
- 警視庁特科車両隊
内訳としては、株式会社38、一般社団法人12、特定非営利活動法人3、医療法人2、農業協同組合1、都1。警視庁の給与支払者は都知事のため、ここでは都とした。
株式会社のうち取締役会非設置の会社があるかは調べていないが、定款や登記の変更が必要なだけなので、法人格を変えるよりは容易であるのでここでは置いておくことにする。
一般社団法人やNPO法人は、株式会社組織変更することはできなないので、新たに会社を作る必要がある。今までビジネスをしていない会社が新たに誕生することになってしまうのだ。もちろん営利を目指す以上、避けては通れない道ではあるが、Vリーグでの猶予が切れる30-31シーズンで、数チームは姿を消すことになる可能性は否定できないか。
医療法人や農業協同組合の場合の扱いがどうなっているのかは謎。現行基準(23-24まで)は、「ライセンス申請者は、株式会社、公益社団法人、公益財団法人、一般社団法人、一般財団法人、特定非営利活動法人(NPO 法人)等の法人格を有していなければならない。」としており、等に含んでいると解してよいのだろう。しかし猶予規定には等という記載がない点には着目しておくべきだろう。厳密にとらえるのであれば、大分三好、警視庁、JAぎふの3チームは、別途法人格を来シーズンまでに用意することが求められているように読める。
5000人/3000収容のアリーナ
これは新B1基準と同様の規模感のアリーナとなっている。これは、Bリーグの新設アリーナ基準とされていたものだ。移行期間中に求められる3000人という数値も、現B1、B2基準を充足する数値である。
こう見てみると、日本におけるアリーナスポーツが目指すべき数値としてはブレているわけではないといっていいだろう。もちろん現実的に今の観客数が――となるのはあるが、キャパシティは簡単に増やせるものではない。
リーグ側が、セリエA、トルコリーグを掲げて世界を目指すのであれば、この数値を目指さなくてはいけない。
アリーナ基準として公開された資料は、フォーマットは違えど文面がBリーグ基準とほぼ同じである。(もちろんコート等は違う)
スイートやラウンジの基準は同じなのだ。ということは、BとSVでうまく共用できれば理想か。
アリーナ建設動向を調べたのはこの記事↓
豊田合成(WD名古屋)は、記念体育館を立てたもののキャパシティが3500人で、5000人を求められると使えないのでホーム移転は確実。といっても、愛知県は、県体育館(名古屋市)、シーホースアリーナ(安城市)、豊田通商アリーナ(名古屋市)、豊橋市新アリーナと4つ予定があるのでどこかが使えれば何とでもなりそう。
トヨタ系という括りでいくなら豊田通商が立てるアリーナを使うのはありそう。キャパなら県体育館だが。
V2アイシンがアイシンアリーナはありだが、バレー拠点は碧南市なのは気になるところ。もともとはアイシン本体のチームだったが、子会社のアイシン辰栄に移管されているのも気になる。ホームの近さで言ったらジェイテクトのほうが安城には近いが……。
Bリーグが5000人を打ち出し、それを契機に官民共同で動いている地域もあるのでそれにうまく便乗できれば楽そう。
アイシンは民設民営アリーナを建設するが、バレーでその規模の金を出せる会社がどこまであるか。規模だけを考えれば、クボタ、サントリー、パナソニック、JT、富士通、日立Astemo、NEC、東レ、デンソー、大同特殊鋼、きんでんはできるだろうが。V2に復帰するトヨタ自動車は、Bリーグ用に東京にアリーナを建設しているがバレーの拠点は愛知。
SV本格始動となるのは30年で、これを見据えてどこかで本拠地移転が起こる可能性はあるのかもしれない。


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