※筆者の独断と偏見が含まれるので注意すること
バスケにおけるファウルのジェスチャ
バスケにおけるファウルのジェスチャは案外多い。とりわけパーソナルファウルはTOレポート時にジェスチャをするものの、記録は「P」に過ぎずあまり意味があるわけでもない。
もちろん何があったかを理解するためには必要ではあるが、バスケ中継で審判が抜かれることもないし、実況解説が触れることも稀ではある。
ただし、ある以上は理解することでバスケの競技規則の理解が深まるはずだ。(結論はないです)
定義されている種類
パーソナルファウルとして11個のジェスチャが定義される。(ファウルの種類の項目に図48~51もあるが、これはファウルの種類というよりファウルの状況なので除外した)
(37~51は、パーソナルファウルのジェスチャが小さく併記されているので、たぶん本当は握りこぶしでプレーを止めて種類のジェスチャを2種類(種別・状況)をその場でしそうな気がしつつも、状況しかした記憶がない)
- パーソナルファウル
- ホールディング:Holding
- ブロッキング(ディフェンス)・イリーガルスクリーン(オフェンス):Blocking, Illegal screen
- プッシングまたはボールをコントロールしていないチャージング:Oushing or charging without the ball
- ハンドチェッキング:Handchecking
- イリーガルユースオブハンズ:Illegal use of hands
- ボールをコントロールしているチャージング:Charging with the ball
- 手に対するイリーガルなコンタクト:Illegal contact to the hand
- フッキング:Hooking
- イリーガルシリンダー:Illegal cylinder
- 過度な肘の振り回し:Excessive swinging of elbow
- 頭をたたく:Hit to the head
競技規則で定められているファウルの種類
前述のジェスチャはAppendix A(別途資料A)に定められる公式のシグナルであるが、競技規則の文面はどうだろうか。
「第33条 コンタクト(体の触れ合い)基本概念」が、基本的な定義づけされている箇所となる。
33-1:シリンダーの概念
33-2:パーティカリティ(真上の空間の概念)
33-3:リーガルガーディングポジション
33-4:ボールをコントロールしているプレーヤーをガードすること
33-5:ボールをコントロールしていないプレーヤーをガードすること
33-6:空中にいるプレーヤー
33-7:正当なスクリーン、不当なスクリーン
33-8:チャージング
33-9:ブロッキング
33-10:ノーチャージセミサークルエリア
33-11:手や腕で相手のチームのプレーヤーに触れること
33-12:ポストプレー
33-13:後方からの不当なガード
33-14:ホールディング
33-15:プッシング
33-16:フェイク(ファウルされたと欺くこと)
以上の16項目である。そう、つまり文面とジェスチャが確実に紐づいているとわかるのは、11種のうち「チャージング」「ブロッキング」「ホールディング」「プッシング」の4つである。
これは2026年のJBAの競技規則においても、2026年10月から適用されるFIBAルールも同様である。
条文とジェスチャを紐づける
反則であるのは疑う余地もないので、どこかに根拠はあるはずなので探してみよう。
ホールディング:Holding
33-14 ホールディング
ホールディングとは、相手プレーヤーの自由な動き(フリーダムオブムーブメント)を妨げる不当な体の触れ合いのことをいう。この体の触れ合い(押さえること)はどの部分を使っていてもホールディングになる。
ブロッキング(ディフェンス)・イリーガルスクリーン(オフェンス):Blocking, Illegal screen
33-9 ブロッキング
ブロッキングとは、相手がボールを持っているかいないかにかかわらず、相手チームのプレーヤーの進行を妨げる不当な体の触れ合いのことをいう。
33-7 正当なスクリーン、不当なスクリーン
不当なスクリーンとは、スクリーンをかけるプレーヤーが:
・動きながらスクリーンをかけて、触れ合いが起こる。
・止まっている相手チームのプレーヤーの後ろ(視野の外)から十分な距離をおかずにスクリーンをかけて、触れ合いが起こる。
・動いている相手チームのプレーヤーに対して、時間と距離を考慮せずに触れ合いが起こる。
プッシングまたはボールをコントロールしていないチャージング:Oushing or charging without the ball
33-15 プッシング
プッシングとは、相手チームのプレーヤーがボールを持っていてもいなくても、手や体で相手を無理に
押しのけたり押して動かそうとしたりする不当な体の触れ合いのことをいう。
33-8 チャージング
チャージングとは、ボールを持っていてもいなくても、無理に進行して相手チームのプレーヤーのトルソー(胴体)に突き当たったり押しのけたりする不当な体の触れ合いのことをいう。
ボールをコントロールしているチャージング:Charging with the ball
ジェスチャはわかれるが、ボールのコントロールに条文はよらないので、省略
イリーガルシリンダー:Illegal cylinder
2022年に追加。
競技規則上は、33-1 シリンダーの概念
オフェンスのプレーヤーが自身のシリンダーの範囲でノーマルバスケットボールプレーを試みていると
き、ディフェンスのプレーヤーはボールを持っているオフェンスのプレーヤーのシリンダーの中に入って不当な触れ合いを起こしてはならない。
ボールを持っているオフェンスのプレーヤーには自身のシリンダーの範囲でノーマルバスケットボール
プレーを行うための十分な空間が与えられなければならない。ノーマルバスケットボールプレーには、ドリブルの開始、ピボット、ショット、パスが含まれる。
オフェンスのプレーヤーはさらなる空間を確保するために、自身のシリンダーを超えて脚や腕を広げて、ディフェンスのプレーヤーに不当な触れ合いを起こしてはならない。
プレーコーリングガイドラインに動画がある。
ただし説明動画を見るに、オフェンスはチャージングで吹いているような気がする。というかイリーガルシリンダーならチャージングでもあるように読める。トルソーならチャージングだが、トルソー外のシリンダー内ならばイリーガルシリンダーか。
33-12も当該項目に該当する。
バーティカリティ(シリンダーの概念)の考え方は、ポストプレーにも適用される。
ポストにいるオフェンスのプレーヤーもそのディフェンスのプレーヤーも、互いに相手の真上の空間(シリンダー)の権利を重んじなければならない。
ポストの位置を占めているオフェンスのプレーヤーあるいはディフェンスのプレーヤーによって、肩や尻で相手チームのプレーヤーを押し出すことや、伸ばした腕、肩、尻、脚、あるいはその他の体の部分を使って相手の自由な動き(フリーダムオブムーブメント)を妨げることはファウルになる。
手の反則
- ハンドチェッキング:Handchecking
- イリーガルユースオブハンズ:Illegal use of hands
- 手に対するイリーガルなコンタクト:Illegal contact to the hand
- フッキング:Hooking
- 頭をたたく:Hit to the head
この6つが問題。
競技規則上は「33-11 手や腕で相手チームのプレーヤーに触れること」に集約されてそう。
プレーヤーが相手チームのプレーヤーに手や腕で触れることがあっても、必ずしもファウルではない。
審判は、プレーヤーが相手チームのプレーヤーに手や腕で触れたり触れ続けたりしていることで、触れ合いを起こしたプレーヤーが有利になっているか否かを判断し、相手チームのプレーヤーの自由な動き(フリーダムオブムーブメント)を妨げているときには、ファウルの判定を下す。
相手チームのプレーヤーがボールを持っていてもいなくても、ディフェンスのプレーヤーが突き出した手や伸ばした腕で、相手に触れ続けて相手の動きを妨げることはファウルである。
相手チームのプレーヤーがボールを持っているかいないかにかかわらず、繰り返し触れたりする行為は、乱暴なプレーにつながる可能性があるためファウルである。
ボールを持っているオフェンスのプレーヤーが起こす、以下の触れ合いはファウルである:
・自分が有利になるために、腕や肘でディフェンスのプレーヤーの体を押さえたり(フック)巻きつけるように回したり(ラップ)すること。
・ディフェンスのプレーヤーがボールにプレーすることを妨げる、あるいはディフェンスのプレーヤーとの間隔(スペース)を広げようとして、相手を押しのけること(プッシュオフ)。
・ドリブルをしているときに、ボールを取ろうとするディフェンスのプレーヤーの動きを前腕や手を使って妨げること。
ボールを持っていないオフェンスのプレーヤーが起こす、以下の触れ合い(プッシュオフ)はファウルである:
・ボールを受け取りやすくしようとして、ディフェンスのプレーヤーを押しのけること。
・ボールにプレーしようとするディフェンスのプレーヤーを妨げようとして、相手を押しのけること。
・自分に有利になるように相手との間隔(スペース)を広げようとして、相手を押しのけること。
ハンドチェッキング、手に対するイリーガルなコンタクト、頭をたたく、は2014年のFIBAルールで登場し、2017年にフッキングが追加されている。
ハンドチェッキングは、「相手チームのプレーヤーがボールを持っていてもいなくても、ディフェンスのプレーヤーが突き出した手や伸ばした腕で、相手に触れ続けて相手の動きを妨げることはファウルである。」に該当してそう。
2019~2022年のプレーコーリングガイドラインには以下の記述がある。(RSBQを言うようになってからは消えた)
①ボールを持っているプレーヤーに、両手を使う(ハンドチェックの適用)
②ボールを持っているプレーヤーに、片手でも肘が伸びた状態で触れ続ける(ハンドチェックの適用)
③ボールを持っているプレーヤーに、触れ続ける(ハンドチェックの適用)
④ボールを持っているプレーヤーに、短い時間であるが何回も触れる(ハンドチェックの適用)
フッキングは「自分が有利になるために、腕や肘でディフェンスのプレーヤーの体を押さえたり(フック)巻きつけるように回したり(ラップ)すること。」
手に対するイリーガルなコンタクト、頭をたたくは接触した部位で区別にしているように見える。(手に対するイリーガルなコンタクトは、2015年ルール(JBA)はショット動作中のプレイヤーの腕(手)に対するファウルのジェスチャとされていたが、2018年ルールでは現在の表現に変更されている)。「頭をたたく」は、後述の「過度な肘の振り回し」と同様に、首から上の接触で良くないけど影響が強くないからパーソナルファウルの時とかに使われそう。では、なぜ手を区別するべきがあるかといわれると謎。
で、余った他のすべてがイリーガルユースオブハンズなんだろう。とは言いつつも33-11にある「プッシュオフ」とかは「プッシング」で取る気がする。33-11の最後と33-15ほとんど一緒に読める。結局のところ余った手を使った反則がこれでいい気がする。手を巻いていたらホールディングだし、押していたらプッシングなわけで、手で手以外をたたかないと起きないのかもしれない。(シリンダーを犯していたらイリーガルシリンダーでもあるし)
過度な肘の振り回し:Excessive swinging of elbow
ずっとあるけど割と謎。(2005年にはすでに存在する。)
当然に「肘を激しく振り回す」行為は当然にテクニカルファウルである。そしてそれが接触している、過度に激しい触れ合い(エクセシブハードコンタクト)はアンスポーツマンライクファウル(26/10~はフレグラントファウル)である。
過度に振り回していて、接触しているのに「パーソナルファウル」って何?となる。
現行プレーコーリングガイドラインあたりと照らし合わせるならば、プレーヤーが過度に肘を振り回して相手に接触したけど、影響が小さかったとかなんだろうが、いかんせんジェスチャの種類に「過度」がついているのがよくないと思う。
というかそもそも「肘をぶつける」だったのに、2018年ルールより「過度」要素が増えた。ちなみに「ひじを激しく振りまわす」ことがテクニカルファウルの対象と明記されたのは2009年ルールからである。
実質的にあまりノーマルファウルで使わない気がする。(使ったことはある)
結論:謎が深まっただけ
結局のところ答えないので謎が深まっただけかもしれない。
仮説とするならば、従来は行為に対してのファウルだけだったのに、「部位」に対するジェスチャや「具体的な動作」に対するジェスチャを明確に示す必要が増えて増やした結果「イリーガルユースオブハンズ」が狭まったといったところか。
増やすだけでなく、たまにはジェスチャを減らしてもいいんじゃないかと思わなくもない。
参考文献
2015 バスケットボール競技規則
2011 バスケットボール競技規則
2009 バスケットボール競技規則
2005 バスケットボール競技規則

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