2024年2月25日。FIBAアジアカップ2025予選の報道から
88年ぶり中国に勝利 ?
テレビ朝日の字幕やTBS記事。
アジアの頂点を目指す戦い、アジアカップ予選でバスケットボール男子日本代表は、中国に76-73で勝ち2連勝を飾った。五輪などの主要国際大会では1936年のベルリン五輪以来88年ぶりに中国を下した。
バスケ男子日本代表、中国を88年ぶりに撃破!死闘の末歴史的勝利、馬場雄大24得点の大活躍【アジアカップ予選】
まぁホーバスHCも発言してそうなので、それでいいともいう。日本協会やFIBA的にどういう扱いになっているか気になるところ。
まぁFIBAが言い出したことではあるんだけど。。。
1936年に中華人民共和国は存在しない
当たり前ではあるが、大前提として。1936年は中華人民共和国は存在しない。
中華人民共和国の建国は1949年10月である。これは紛れもない事実である。つまり、1936年ベルリンオリンピックの時点では、現在の中国という国家は存在していない。
そして『中国』と呼称する場合に厄介なのは、中華民国もまた「中国」という呼称を用いていた時代はあるのだ。
1949年12月に、中華民国政府は台北に撤退している。その後も国家としては事実上存在し続けており、FIBAには中華民国の名称のまま登録されている。そして同様に中華人民共和国も登録している。
その後、1958年に中華人民共和国はFIBAを脱退。1974年に復帰するまでの16年間は、中華人民共和国ではなく、中華民国が唯一のFIBA登録チームだった。(脱退の記述は見つかるが最初にいつ登録したのかは謎。)
Wikipediaソースだと中華人民共和国の登録は1974年からで、36年ベルリンオリンピックは台湾側に記載される。中華人民共和国としての記録は、成立の49年ごろから脱退するまでの58年の間、オリンピックや世界選手権に出場したことはそもそもないので、記録としては75年のアジア選手権(現:アジアカップ)あたりからとなる。
なお、54年、59年の世界選手権(現:ワールドカップ)は、中華民国が出場している。
中華人民共和国の記録はどこまでさかのぼるべきか
2023年ワールドカップでは、中国は2大会連続10回目の出場とされる。
FIBAのページにあるニュース記事においても、2023年大会が10回目の記述がある。8位の好成績というのは中華人民共和国の最高成績。
中国
2019年に開催された前回大会の開催国である中国は、2022年11月のWindowsで2試合とも勝利し、10回目のワールドカップ出場権を獲得。直近6大会では5回となる出場を果たしている。1994年ワールドカップでは8位の好成績を収めている。
2023年ワールドカップ本選出場権を獲得した17カ国をチェック
世界ランキング27位
ということを踏まえると、世界選手権とワールドカップは通算してカウントするので、1978,1982,1986,1990,1994,2002,2006,2010,2019,2023の計10回となる。つまり中華民国が出場した1954年、1959年の記録は含まれていない。
最後に中華人民共和国がオリンピックに出場した2016年の記録をみると興味深い記述がある。FIBA競技会への傘下の項目は以下のようになっている。

最古の記録は中華人民共和国成立前の1948年のオリンピック。そして跳んで1978年の世界選手権。まさに謎。36年はどこへ行ったのか。
ちなみにFIBA archiveで「China」でNational Teamsを検索して出てくるのは以下の通り。

36年と48年も含まれる。まぁその時代は中華民国が「China」を名乗っているので引っかかるのはわからなくもないが……。
1954年~59年の台湾の記録は「Formosa(FOR)」でヒットする。

FIBA再加盟以降の台湾は「Chinese Taipei (TPE)」

とはいえ、国名検索はソビエト連邦-ロシア連邦が紐づかないといったことはあるので……。
オリンピックの出場回数は、wikipedia英語版だと中華民国時代から通算してカウントしている。(2016年大会予選)結局謎。
日本と中華人民共和国の対戦成績
今試合のpreviewにあるhead to headは以下の通り。
いっそのことこれより前をさかのぼってみる。主要国際大会なんてフレーズは出てくるが、FIBAランキングの対象試合と考えるぐらいが順当だと思う。FIBAランキングは、大陸大会と予選、ワールドカップと予選、オリンピックと予選が対象。日本の場合は、アジアカップ、アジアカップ予選、オリンピック、オリンピック予選、ワールドカップ、ワールドカップ予選が対象だと思えばよいはず。
ただ、アジア選手権時代は東アジア選手権が予選を兼ねているので、割と対戦しているが、おそらくここがFIBA的に含まれていないんだろう。主要ではない格が下の大会といえばそう。ただ予選ではある。

「スタンコビッチカップ」が「アジアカップ」となり「アジアチャレンジ」となり消滅。
現在行われている「アジアカップ」は、「アジア選手権」と「オセアニアカップ」が2017年に統合されたもの。アジアカップは4年に1度。2015年以前のアジア選手権は隔年開催。2005年の東アジア選手権っぽい大会は、アジア選手権の予選で行っていそうではあるが、「東アジア選手権」は2009年から2017年まで隔年でやっていた大会でもあるがおそらく別。
こうやって見ると、勝ったり負けたり。そんなに88年を強調する必要はあるのか??とは思うところ。FIBAの記事は外部記者の記事そのまま載ってるイメージがあるのでその程度の話な気もする。
FIBA管轄の大会で言うと、最後に勝っていたのは2012年のアジアカップ。
国家で見るのか、地域で見るのか
人、という面で見ればどの地域なのかで見た方がよいのだろうか?
国家が分裂した場合だと、大半が占める地域が継続してカウントされることはよくあるように思う(ユーゴスラビア→セルビア・モンテネグロ→セルビア)
加盟権が続いたわけでもないし、別途国家が事実上連続しているわけでその場合の扱いって他競技でどうなっているのかは気になるところ。
結局能取湖「アジア杯より上位レベルの公式戦」って言っても、今回はアジアカップ本選ではなく「予選」ですからね。2012年の勝利も格としてはほぼ同等だと思う。旧アジアカップ(スタンコビッチカップ)はアジア選手権の予選を兼ねていたし、東アジア選手権もアジア選手権の予選。結局おんなじ。
なので、別に海外の記事(FIBAサイトに載っていたけど……)に便乗してメディアは報じなくてもよかったんだと思う。モチベーションとして役に立ったのなら、それはそれでよいのかもしれないけど。


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