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日野RDの処分をリーグ側がしない件について

ラグビー
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日野RDが今シーズンの以降の試合のすべてを辞退したことが発表され、リーグは日本協会へ上申している。これは適切な流れなのか。

リーグの発表

当該チームから報告のあった事案に対しては、ジャパンラグビーリーグワンのインテグリティ委員会から上申され、日本ラグビーフットボール協会の倫理及び処分規程によって、同協会の規律委員会において対応を検討中です。

NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 第9節以降の日野レッドドルフィンズ出場試合 開催中止のお知らせ、2023/3/3、リーグワン

このことについてリーグ側が処分しないことに関して、ありえないなんてのをSNS上で見たので調べてみよう。

リーグ側の規定

リーグワンには「懲罰規定」が設けられており、これによって懲罰が出されることになる。これはリーグワン(JRLO)の役員、会員、選手、コーチ、職員、審判員と関係者すべてが該当する規定といってよいだろう。懲罰規定第3条(2)には以下のような規定がある。

JRLO関係者による規約その他諸規定の違反行為(以下「違反行為」という)のうち、競技に関するものならびに公益財団法人日本ラグビーフットボール協会(以下「日本協会」という)が定める倫理及び処分規程およびアンチドーピング規程に定めるものについては、当面、JRLOは懲罰権を行使せず日本協会の懲罰権に委ねるものとし、JRLOはそれ以外の違反行為に係るものについて、懲罰権を行使する。但し、本項は、日本協会が適切に懲罰権を行使しないと認められる場合で、これによりJRLOの規律維持が困難になるとの事情が認められる場合、JRLOが懲罰権を行使することを妨げない。

一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン 懲罰規程

つまり、競技、日本協会の倫理および処分規定、アンチドーピング規定はJRLOは懲罰権を行使せず日本協会の懲罰権に委ねるとある。

日本協会の「倫理及び処分規定」で対象となる行為は、以下のものになる。

  • 法令に違反すること
  • 日本協会、支部協会、都道府県協会、団体の規定、決定に違反すること
  • 大会・試合・事業・チームの活動に関連し、暴力、暴言、差別的現道、脅迫、共用、セクハラ、パワハラ、無視、不合理な指導、競技の運営を妨げる、施設の適切な利用を妨げる行為をすること
  • ラグビー関係者の名誉又は信用を棄損する行為
  • 大会・試合に関して、不正な利益を供与し、申し込み、要求、約束すること
  • 大会・試合に関して、競技結果に影響を及ぼす不正行為に関与すること
  • 反社会的勢力のとかかわり
  • ラグビーに関し、品位を損なう非行を行うこと
  • これらの項目を第三者に教唆したり、是正する権限があるのに放置すること。

報道によると、「チームとして不適切な行動」を行っていたと報じられている以上、この規定に該当するといえそうだ。

この規定に該当する以上、「懲罰規定」に規定されるように日本協会へ上申するのは規定通りの対応といえるだろう。

昨シーズン開幕前に、GR東葛の選手が薬物所持で逮捕された場合にもリーグワンは「日本協会と連携して懲罰を発表する」としており、現行規定としては何ら間違っていないといえよう。

JリーグはJFAが委任している

Jリーグの場合を見てみよう。Jリーグには「規律委員会」が設置されており懲罰の決定機関として運用されている。これは、JFAの懲罰規定に基づくものである。(Jリーグ規約第9条

JFAの懲罰規定は以下のようになっている。

司法機関組織運営規則第19条に基づき、本協会の規律委員会及び裁定委員会は、都道府県協会等の司法機関に、その所管する加盟団体、加盟チーム又は選手等に関する懲罰問題を本協会懲罰規程にしたがって処理し、懲罰を決定・適用する権限を委任する。なお、特定の懲罰問題について、当該権限を有する都道府県協会等の司法機関が複数あるなど、当該権限を行使すべき機関に疑義が生じた場合には、本協会の規律委員会又は裁定委員会が個別に決定するものとする。

懲罰規定、日本サッカー協会

そう。協会側が各団体に機関があれば委任していることになるのだろう。委任している以上、普段目にするのはリーグが出すものということになる。

バスケットボール協会においても同様に委任規定がある。

〔権限の委任〕
第 22 条 本協会は、都道府県協会および次の各号の団体(都道府県協会等)に対し、本協会倫理規程第3条第1項に関する違反について、同規程および本規程に従って処理し、懲罰対象事実について調査、事実認定の上、懲罰を決定する権限を委任することができる
(1) 公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)
(2) 一般社団法人バスケットボール女子日本リーグ(WJBL)
(3) 一般社団法人ジャパン・バスケットボールリーグ(B3リーグ)
(4) 一般社団法人日本社会人バスケットボール連盟
(5) 一般財団法人全日本大学バスケットボール連盟(11ブロック連盟を含む)
2 都道府県協会等は、前項に従って懲罰手続を行うため、各々裁定委員会を設置しなければな
らない

公益財団法人日本バスケットボール協会 裁定規程、日本バスケットボール協会

一方でラグビーには、委任する規定がない。そう、ないのだ。

ラグビーの適用の範囲としては、日本協会に登録されたチームやその選手が含まれるためこの規定が改正されない限りは、下位組織に過ぎないリーグワン側としては、上申して判断を仰ぐしかないといえるのではないだろうか。

日本協会の動きもダメではある

とはいえ、リーグワン側も日本協会側も動きとしてダメな点はある。もちろんリーグワン側としては、協会の規定に抵触する内容であるから、独断で処分を下すことはできない。しかし日本協会に処分を早く出すように申し入れる等はできたはずだ。週刊誌が報道されてから1か月たっても何もでないのだから、動いてもいいはずだ。

日本協会の「倫理及び懲罰規定」には、処分資格停止の猶予が定められていると同時に「暫定的処分」についても定められている。

(暫定的処分)
第14条 規律委員長は、前条に定める事実調査の過程において、登録者等又は登録チームについて重大な遵守事項の違反が存在する蓋然性が高く、直ちに処分をする必要があると判断した場合、登録者等又は登録チームに対し、暫定的な出場停止又は登録資格停止を実施するよう、専務理事に求めることができる。
2 専務理事は、前項に基づき暫定的な出場停止又は登録資格停止を実施する場合は、審査対象者に対し、以下の事項を記載した書面をもって暫定的な出場停止又は登録資格停止を通知する。
(1)審査対象者の表示
(2)暫定的な処分の期間
(3)処分対象となる遵守事項の違反に係る事実
(4)処分の手続の経過
(5)処分の理由及び証拠の標目
(6)処分の年月日
(7)処分の決定に不服がある場合には、審査対象者は公益財団法人日本スポーツ仲裁機構に対して専務理事の行った処分の決定の取り消しを求めて仲裁の申立てを行うことができる旨及びその申立期間

倫理及び懲罰規定、日本ラグビーフットボール協会

もちろんこれは、事実調査の過程でやるものではあるが、違反の存在する蓋然性が高い場合は暫定処分をしてよいこととなっている。事実調査は3か月以内に報告完了する(延長は可)ように定められているものではあるが、この事実調査には当事者からの説明も含まれている。

2月1日に週刊誌報道され、2月2日に日野RDは最初のリリースを出している。翌2月3日に、無期限活動停止を発表するわけであるが、その3日のリーグワンのリリースは以下となっている。

この度の事案は、大変遺憾であり、事態を重く受け止めております。
リーグは今回の事案の報告を受けて以降、事実確認を進めており、日本ラグビーフットボール協会とも連携し、今後、ジャパンラグビーリーグワンのインテグリティ委員会にて対応を検討しております。
ファンの皆さま、並びに関係者の皆さまに心よりお詫び申し上げます

ジャパンラグビーリーグワン コメント 日野レッドドルフィンズの活動停止について、2022/2/3、リーグワン

そして2月7日にリーグワンは日本協会に上申している。

ジャパンラグビーリーグワンは、日野レッドドルフィンズから報告のあった事案について2月7日(火)にインテグリティ委員会を開催し、協議の結果、日本ラグビーフットボール協会の倫理及び処分規程が適用される事案と判断し、日本ラグビーフットボール協会の規律委員会への上申手続きを行っています。

3月5日「日野レッドドルフィンズ vs 三重ホンダヒート・3月12日「日野レッドドルフィンズ vs 豊田自動織機シャトルズ愛知」開催中止のお知らせ、2023/2/17、リーグワン

そして、3月3日に今シーズンの出場辞退が発表された。しかし、日本協会はまだ検討中のようである。

当該チームから報告のあった事案に対しては、ジャパンラグビーリーグワンのインテグリティ委員会から上申され、日本ラグビーフットボール協会の倫理及び処分規程によって、同協会の規律委員会において対応を検討中です。

NTTジャパンラグビー リーグワン2022-23 第9節以降の日野レッドドルフィンズ出場試合 開催中止のお知らせ、2023/3/3、リーグワン

当事者のヒアリングを行った結果として、「蓋然性」が高くなかったのだろうか?それなのに無期限活動停止はちょっと紐づかない。「処分」と「自粛」は別物である。明らかに違反しているからこれだけのことになっていると考えるのが自然だ。なのに、なぜか日本協会は「暫定処分」を発表しない。最終決定を待たずに蓋然性が高ければ行うことができる暫定処分を日本協会は行わず、チームの自粛で乗り切ろうとしているのだろうか。

結論

チーム側が不祥事を明らかにしているのにも関わらず、1か月たっても協会から暫定処分すら出ないのは怠慢。

チームが今シーズンの全試合辞退を発表する前に、協会が今シーズンの残り試合の暫定的な出場停止処分を出すことは、ガバナンスとしては求められていたのではないか。

チームが発表して、協会が追従するのは協会の倫理観を疑わざるを得ない。

日本協会が早急に処分を下せない組織でしかないのであれば、日本のトップカテゴリであるリーグワンには権限を委任するべき。

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