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スポーツの本拠地移転を考える

ラグビー
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リーグワンは関東に集中している

「リーグワンは関東に集中している」といわれるが、これは事実といっていいだろう。

今期のリーグワンは3部制で、Div1は関東7(内東京4)、中部3、関西2、Div2は東北1、関東2、中部1、関西1、九州1、Div3は東京3、広島2だ。

現状フェーズ2へ向けて新規参加チームの審査を進めているが、最大3チームの参入となるものの現状の評点や今シーズンのトップイースト、キュウシュウの戦績からして秋田NBの可能性は現時点ですでに薄い。秋田NBは現状イースト最下位で、今週末の試合で優勝を逃すことが決まってしまうため、3チームの場合、セコムとヤクルトが充足項目が達成できなかったときのみに選ばれることとなる。

つまり、新規参加チームが現状の本拠地でそのまま参戦すると仮定するならば、関東2(ヤクルト、セコムは現状埼玉県内に拠点がある)、九州1が増えることになる。合計すると、関東14、中部4、関西3、中国2、九州2。関東の内訳は東京7、千葉2、神奈川2、埼玉3。

ここで日本の人口を見てみよう。令和2年度の国勢調査によると、東京が1404万人と最も多く全国の11%を占めており、東京圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)で全国の約3割を占めている。

現実を度外視し人口比だけでチームを割り振るのであれば、南関東は半数ぐらいが適当な数値となる。東海、関西、中国あたりはどこで地域を区切るか問題が出てくるので誤差として許容してもいいレベルか。

こうやって見れば関東に集中しているのは間違いのない事実だ。ただ、それは本当に大きな問題なのか。

Jリーグ初期「オリジナル10」は関東集中である

近年のプロスポーツリーグを話題に上げる場合、日本では「Jリーグ」がベースになることが多いように思う。長らくアマチュアリーグでありそれをプロ化したモデルケースでもあるからであるが、この初期チーム「オリジナル10」のホームタウンは以下の通りである。

  • 茨城県鹿島町
  • 千葉県市原市
  • 埼玉県浦和市
  • 神奈川県川崎市
  • 神奈川県横浜市
  • 神奈川県横浜市
  • 静岡県清水市
  • 愛知県名古屋市
  • 大阪府吹田市
  • 広島県広島市

東京こそないが、神奈川県に3チームであり、関東に6チームが存在している。北海道、東北、北陸、四国、九州にはチームがない。

10チームだから当然だ、と思うかもしれないがリーグ初期はJリーグだって地域偏りはあったのだ。今となってはチームが存在しない県が6つと全国に散らばっているが、初期を見れば関東集中であるのは間違いのない事実だ。6割が関東のJリーグと5割が関東のリーグワン。こうしてみてみるとリーグ初期というものは別に特段騒ぎ立てるものでもないように見える。

プロ野球も関東中心

日本の団体プロスポーツとしては最も歴史が長いプロ野球。これも関東中心である。

現在においても、関東圏には、埼玉西武、読売、東京ヤクルト、横浜DeNA、千葉ロッテと5チームの球団が本拠地を構える。2軍も考えれば日本ハムも千葉。そうみてしまうと、プロ野球ですら5割が関東である。

最初期のころを見ても名古屋、大阪、大東京、東京巨人、阪急、南海、東京、名古屋金鯱、後楽園と東京は多い。

フランチャイズ制が正式導入された1952年、東京・後楽園球場を本拠地としていたチームは、巨人、国鉄、東急、毎日、大映と5チームにも上る。

日本で一番露出が多いスポーツですら東京・関東中心であるのだ。

日本におけるプロスポーツの本拠地移転

日本におけるプロスポーツの本拠地移転を見てみよう。

プロ野球

ここでは現行12球団を見てみよう。

巨人:後楽園→東京ドーム
東京ヤクルト:後楽園→明治神宮野球場
横浜DeNA:下関球場→大阪スタヂアム→川崎球場→横浜スタジアム
中日:中日球場(ナゴヤ球場)→ナゴヤドーム
阪神:阪神甲子園球場
広島東洋:広島総合球場→広島市民球場→広島市民球場(2代目)

北海道日本ハム:後楽園→駒沢野球場→明治神宮野球場→後楽園→東京ドーム→札幌ドーム→エスコンフィールドHOKKAIDO
東北楽天:宮城球場
埼玉西武:平和台球場→西武ライオンズ球場→西武ドーム
千葉ロッテ:後楽園→東京スタジアム→宮城球場→川崎球場→千葉マリンスタジアム
オリックス:阪急西宮球場→神戸総合運動公園野球場→大阪ドーム
福岡ソフトバンク:大阪球場→平和台球場→福岡ドーム

基本的には、オーナー権移動、合併がらみが多いか。

平成付近以降でみると、88年に南海がダイエーに売却し福岡移転。2003年に日本ハム球団から北海道日本ハムファイターズに球団運営権が譲渡され、北海道へ移転。その後2022年には新設球場へ移転するため、札幌市から北広島市へ本拠地を移した。2005年のオリックス、近鉄の合併で結果的にオリックスは兵庫県から大阪府へと本拠地を変更している。また、1992年にロッテは川崎から千葉へ移転ぐらいか。

基本的には、施設の老朽化、オーナー権の譲渡、新本拠地側の誘致が上手く絡んだ結果といっていいだろう。

Jリーグ

Jリーグも30年を迎えるが、市町村を超えるホームスタジアム移転ですらさほどない。暫定的に本拠地としてたところから戻る、老朽化による移転、ライセンス確保のための移転ぐらいか。

ホームタウンが広域化しているのもあり、明確に変わっているのはヴェルディの川崎から東京移転。

2001年:ヴェルディ(川崎市→東京都)
2001年:ホーリーホック(ひたちなか市→那珂市)
2003年:ジェフユナイテッド(市原市→市原市及び千葉市)
2010年:ホーリーホック(那珂市→水戸市)

リーグ黎明期時代に目を向けると、サガン鳥栖のルーツ、鳥栖フューチャーズは静岡県リーグから佐賀県に誘致したのちに破産。その受け皿であり、誘致していた動きがないわけではないが、近年起こっているものではない。

ホームが根付いているといってもいいのかもしれない。

Bリーグ

まだできて10年。ほぼほぼない。

今年、西宮が神戸市内の新アリーナ移転を見越して、本拠地移転、チーム名変更をした。またB3横浜エクセレンスは、東京都内でアリーナが確保できず、横浜に移転。東京EXから横浜EXへとチームを変えた。

新潟のルーツが東京都の大和証券であるという例はあるが、近年で大幅な移動は見られない。かなり昔までさかのぼれば、A東京は当初は愛知県リーグ所属であり、JBL時代は東京都府中市がホームタウン、SR渋谷はスーパーリーグ時代の本拠地は日立市、ひたちなか市でありJBL時代からは東京都をホームタウンとしている。

ただし、JBL時代は興行権を行使していないチームも多く「ホームタウン」というものが形骸的なものであったのは言うまでもない。

現状のBリーグのホームタウンは「市区町村」単位であるので、今後もホームアリーナ建設が多く計画されているため少なからず発生する。

A東京(東京都渋谷区)は、Aアリーナを東京都江東区に
三河(愛知県刈谷市)は、アイシンアリーナ(仮)を愛知県安城市に建設しており移転はほぼ確実といっていいだろう。といっても近隣であり、地域を跨いでいるわけではないのでチーム名変更を伴うのは前述した西宮から神戸だけか。

本当にリーグワンの関東集中は問題なのか

結論からすると結局は金の問題があり、そして受け入れられる土壌があるかなんだろう。

リーグ黎明期というのは、リーグに金がない。中東のようにオイルマネーで解決するわけにもいかず、既存の施設、既存の枠組みからの移行が日本においては中心となる。

プロ化ないしプロに準ずるランクの競技者は、実業団もしくはクラブチームでプレーしていることを鑑みると、基本的にはそこからの転換となりがちである。そしてそれらの選手は一労働者であって、企業があるところ産業が盛んなところに集中しがちであることは言うまでもない。

先にも述べたように、プロ野球、Jリーグにおいても最初期は関東が中心だったのだ。ラグビーにおいてもリーグワンとなってまだ3年なので特段それだけを問題視する必要はまだないように感じる。この状態が10年も20年も続くのであれば問題ではあるだろうが、まだそこを論ずる段階ではないだろう。

トップリーグがあったじゃないかといわれればそうであるが、そもそもトップリーグ開始以前は全国リーグすらなかった競技である。Jリーグ発足前はJSLが1965年から30年近く行われていたし、Bリーグ発足前は、1967年の実業団リーグからはじまり、日本リーグ、スーパーリーグ、JBL、NBL、bjリーグと全国展開されるリーグは行われてきたのだ。ラグビーはトップリーグが2003年にでき丁度20年。そう、まだ20年なのだ。

今の状態で求められるのはしっかりとビジネス(興行)をし、収益を上げる体制を整えることが大切だろう。そのうえで盛り上がるのであれば移転するという動きは自然と生まれてくるだろう。そのチームのファンからすればたまったものではないが、ビジネスという面に立てば同地区に多くのチームが乱立すると人の取り合いを生みがちであり、ビジネスが成り立ちうるのであれば本拠地移転という選択肢は生まれやすくなるだろう。

加えて言うのであれば、プロ契約の選手は存在しつつも、結局「実業団」チームばかり。それなのに行政に協力を求めたり、地域名をつけさせたりしたが、結局は実業団メインリーグなのだ。

究極は地域点在ではある

もちろん究極は、地域点在でありそれが理想であろう。とはいえ、その場所に競技場があり、練習場があり、支える体制があるかはまた課題の一つだ。

昨シーズンの総入場者数は74万人、1試合平均で4,436人。POだけ見れば平均2万人近いが、Div1のリーグ戦は5,744人、Div2は1,739人、Div3は1,437人。

来シーズンからは3チーム(か1チーム)が増え、フェーズ2が始まる。といってもあまり変化がないような気がするが、フェーズを重ねるごとにより魅力のある、より楽しいリーグになることを期待したい。

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