関連工事を含めるときりがないし、区別も煩雑になるので正確性は保証しない。
地方自治体の財政規模
そもそも地方自治体の財政規模を見てみよう。
現在の日本における自治体の構造は、国―都道府県―市区町村と考えてよいだろう。
東京都の令和5年度の予算案では一般会計の予算規模は8兆410億となっている。大阪府3億6421億円、愛知県2兆9657億円、北海道2兆8507億円、兵庫県2兆3597億円あたりが上位で、千葉、神奈川、埼玉あたりも2兆規模。下位を見ると鳥取県3350億円、香川県4883億円。
市の分類としては、政令指定都市、中核市とそれ以外。区は東京都の特別区のみ。以下に当初予算の一般会計を列挙した。いずれも令和5年度。政令指定都市は全て、中核市、特別区は人口の上位と下位を抽出した。

大体は人口規模で左右されており、政令指定都市であれば6000億~2億ぐらいが中央値。特別区は人口規模がまばらであるが、上は政令指定都市の下部層なみ。区分によって担うべきものが違うので単純比較するべきではないが、ある程度は人口・産業によって変化するのは確か。
スポーツにかけるお金といってもなんだかんだで国からの補助金で補填したり、近年であれば企業版ふるさと納税を活用したりしている場合もあるので純粋に出ていくお金というわけでもない。地域振興、商業の活性化を図る面でもイベントの存在は大きく、行政が支援をすることが悪ではないことは確かではある。
ラリージャパン
基本的に今年から主催となった豊田市と実行委員会に名を連ねている恵那市が中心。
豊田市
今年から、豊田市が主催に加わったFIA世界ラリー選手権「ラリー・ジャパン」。
豊田市が負担している金額は以下の通り
令和3年度12月補正予算:
12億8,700万円に為替変動に伴う増減額を加算した額(975万ユーロ?為替変動で2~3億増加してそう)
令和4年度当初予算:約4億1500万円
3億3360万円(ラリーを活かしたまちづくりの推進)
7,275万円(旭高原元気村の再整備)
825万円(三河湖周辺の観光資源再整備の検討)
令和5年度当初予算:約8億8000万円
世界ラリー選手権の開催:5億6000万円
地方ラリー選手権等の開催:2141万円
中心市街地におけるイベントや賑わい創出:5200万円
会場施設等の整備:1億6462万円
豊田市PRドラマの制作:1000万円
講習やイベントの開催:1149万円
山村地域の観光施設の再整備:5965万円
白浜公園でラリーができるように整備したものの、結局WRCでは使わずラリーチャレンジでのみ使用。豊田スタジアムでのラリーステージ開催で3億。ただし全額市が負担しているわけではなさそうではある。
R5年度はスカイホールの長寿命化に14億円も計上しているし、R4年度は豊田スタジアムの長寿命化に16.8億円計上。
と大きい額に見えつつも、サッカーワールドカップで誘致失敗したものの建設した豊田スタジアムは、土地取得費を含めて451億円。(建設費のみだと356億円?)他に出資者がいるので全額ではないだろうが。当時は市町村合併前で人口35万人程度。あんまり中核市以下で大きい競技場は持っていない。大体が都道府県か政令指定都市。吹田は所有権は市が持っているがPPP方式。
1998年の豊田スタジアム建設時には、「(仮)中央図書館、コンサートホール・能楽堂、(仮)豊田大橋、市庁舎などの建設」をしていて、どんな時代でも箱物行政はしているので割と通常進行か。議論をしているH10年度は、スタジアム関連で41億円予算計上。
ここ数年は博物館建設に毎年30億円予算計上しても特段問題視されないからこそできる所業ともいえるかもしれない。財政力指数でみると全国で9番目に位置するだけあるのかもしれない。
恵那市
恵那市はWRCラリージャパンだけではなく、「WOMEN’S RALLY」を市役所スタートでかかわったりとラリーには力を入れている市。ラリージャパンでは実行委員会副会長を恵那市長が務める。
令和4年度当初予算:2億3886万円
令和5年度当初予算:4億6000万円
令和5年度は、デジタル田園都市国家構想交付金、企業版ふるさと納税、出資金返還金で賄っているので実質市が負担していないともいえる。
設楽町
令和4年度当初予算:925万円
令和5年度当初予算:1030万円
設楽町は、開催費というよりもPR費という面が強いイメージ。
岡崎市
当初予算では、探したものの見当たらない。今年度はどちらかというと大河ドラマメイン。花火とか将棋はあるが。補正予算で多少は出しているようには見えるが探しきれなかった。
どこかには含まれているんだろうけど。
新城市
ステージも1つで、1回しか通らないのもあってか少なめ。
令和4年度当初予算:179万円
令和5年度当初予算:550万円
中津川市
令和4年度当初予算:216万円
令和5年度当初予算:300万円
根の上高原ステージの後半が中津川市。タイヤフィッティングゾーン、給油所がDAY4に設けられた。
とはいえ額をみると一番少ない部類。
アジア大会(愛知県・名古屋市)
2026年に愛知・名古屋他で開催されるアジア大会。
当初の財政計画は「850億円」。報道によると物価高騰のあおりは受けて1.5倍程度に膨らんでいる。(1405億円)
老朽化とアジア大会開催を契機に行われる愛知県体育館の建て替えの建設費は、PFIに基づくBT方式で建設費300億円、県負担は200億円。
オリンピック
いろいろあった東京オリンピック。
東京大会の最終報告の数値だと、東京都の負担は5965億円。この額を一度に支出しているわけではないし、数年はかかっているので1年あたりで見れば1000億円ぐらい。立候補ファイル、V1予算で非組織委員会負担としていたものが国と東京都で負担した。
この額を見ると東京都以外で夏五輪をやるのはハードルが高い。ただアジア大会で850億円だとオリンピックのほうがコスパは良さそう。
コロナがなければ経済効果の恩恵はもっと受けられただろうし、いろいろ問題があったことを置いておけば、惜しいともいえそう。
世界水泳
福岡市で開催された世界水泳。
令和4年度2月の補正予算資料によると、大会予算は225億円程度で、半分程度が市費負担の見込みとある。半分だとすると112.5億円。
1度切りの大会でここまでの支出がある点は興味深い。WRCよりも膨大な費用が掛かっている。
経済波及効果が全国で970億円だからという理由はつけているんだろうが、案外かかっている印象。
バスケワールドカップ
沖縄県で予選プールのみ開催。
沖縄県は、令和5年度当初予算では、FIBAバスケットボールワールドカップ2023推進事業として、2億2446万円を計上。
沖縄市では、FIBAバスケットボール2023気運醸成事業として8410万円。
沖縄振興予算もあるのでなんとでもなるのか?
フォーミュラE
来年3月に開催。なので今年度の予算?
2019年度予算に調査費1000万円を計上。
令和5年度予算だとどれが該当するか謎ではあるが、「国際的なイベントを活用した観光PR」に6億円計上している。
まとめ
WRC主催は、やっぱり金がかかっている。
世界水泳2023は、主管が福岡市かつ期間が17日間という点もあるのかなかなかにかかっているのは興味深い点である。
基本的には大きいイベントをやるには、政令指定都市か都道府県単位が基本なんだろう。そう考えてみても、WRCの主催に「豊田市」が加わるのはなかなか異質。トヨタ自動車あっての市を象徴としているとも言っていいのかもしれない。中核市で40万人規模の市でなかなかやることでは日本では難しいところはありそう。
人口5万人未満の恵那市が4億円捻出できてはいるので、取り組み方次第ではいろんなことができそうではあるが、できそうなだけで無理が多そう。

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