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市にアリーナを作ってもらうのは無茶振りなのでは

雑記
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スポーツと行政の協力の意味をはき違えている

スポーツと行政の協力は不可欠だ。スポーツによっては万単位での集客があることもあり、場合によっては交通渋滞を引き起こすこともある。道路事業までも民間でやるわけにもいかず、都市計画上ある程度の制約を受けることは容易に考えられる。

交通インフラという面に着目すると、道路だけでなく鉄道やバスといった公共交通機関を利用したアクセスも考えるべきで、やはり行政との協力は必要なはずだ。

ただし、箱ものを作ってもらうように働きかけるのは違うように思う。

現状のスポーツと行政のかかわり

各リーグの規約やライセンス周りに記載されている内容は以下の通り。

リーグワン:ホストエリアの自治体、および地域のラグビー協会と連携協定を締結し、コミュニティ内のラグビー普及・振興に協働している(新規参入チーム審査概要

SVリーグ:ホームタウンの自治体、バレーボール協会および商工会等との連携強化によるクラブの地域に根付いた活動の実施。クラブのホームタウンを全国で1か所に定め、当該地域の市民・企業・自治体等が抱える社会課題に向き合い地域共生に貢献すること(SVリーグライセンス交付規則

Bリーグ:Bクラブはホームタウンにおいて、地域社会と一体となったクラブ作り(社会貢献活動を含む)を行い、バスケットボールをはじめとするスポーツの普及および振興に努めなければならない。
自治体および都道府県バスケットボール協会から全面的な支援が得られること(Bリーグ規約

Jリーグ:Jクラブはホームタウンにおいて、地域社会と一体となったクラブ作り(社会貢献活動
を含む)を行い、サッカーをはじめとするスポーツの普及および振興に努めなければならない。
自治体および都道府県サッカー協会から全面的な支援が得られること(Jリーグ規約

「全面的な支援」という文言のBリーグ、Jリーグが一番ハードルは高そう。全面的といわれると財政面も当てにされそうに見え、実際に県に支援要請をしている事例はある。Jリーグで実際にチームがなくなった例は「横浜フリューゲルス」のみとされるが、リーグ黎明期にはいろんなことが起こるのもまた事実だろう。

Bリーグでは、チームとして消滅となってしまったクラブチームは今のところはないが、経営難によってB3リーグに降格した鹿児島、金沢、一時休会しリーグ復帰した品川(旧東京CR)、経営難によりBリーグ準加盟を失格となった八王子(2022年に再度準加盟)、アリーナ確保に失敗し2度ライセンスが不交付となった横浜EX(旧東京EX)、債務超過によってB1ライセンスを取り消された新潟と、綱渡りをしているチームも存在する。

結局のところ、行政としても不確かなものでどれだけ投資に見合っているのかといえば確証などないだろう。アリーナ建設までやって、やっぱり撤退しますなんて言われてしまったらそれこそ、待っているのは市の破綻だ。

酒田市のアリーナ断念

酒田市はバレーボールVリーグ1部、V1の「アランマーレ」のホームアリーナの整備を検討してきましたが、資金の調達が難しいことなどから計画を断念すると発表しました。

(中略)

「アランマーレ」は、現在のVリーグが再編され来シーズンから新設される「SVリーグ」への参入に必要な5000人以上入場可能なアリーナを2030年までに整備することが課題となっていて、チームの拠点がある酒田市は市内での整備を模索してきました。
しかし、アリーナの整備には、数十億から100億円ほどが必要で、資金の調達が難しいことなどから先月、整備を断念することを決めたということです。

山形 酒田市 V1アランマーレのアリーナ整備 計画を断念、NHK news web, 2024/2/19 14:48

酒田市の財政力指数は0.494。山形県内の市平均が0.530であり、類似団体平均が0.630であることを踏まえると余裕はなさそう。(参考資料)人口10万人の町で、5000人のアリーナが大きすぎるわけでは決してないが、積極的に未知なものに対して公共が投資できるものとは言えないのは当然だろう。

アランマーレの今季のホーム使用は、今年度は、ホームアリーナの酒田市体育館は休館のため、小真木原総合体育館(山形県鶴岡市)が4試合、一関市総合体育館ユードーム(岩手県一関市)、山形県総合運動公園総合体育館(山形県天童市)が各2試合。酒田市開催はなし。Vリーグライセンス上は現状においてもS1ライセンスは平均3000名以上なので、変化しているわけでもないのでおそらくもともと県体育館あたりが頼みの綱。

今シーズンの入場者は鶴岡で1000人台後半、天童で1000人台前半、一関で700人。どこかで満員みたいな打ち出し方ができたりすれば投資にも動き易そうだが、天童は車で1時間半以上かかるのでそもそも経済圏が異なる。

鳥栖市:鳥栖スタジアム(駅前不動産スタジアム)

鳥栖市は人口7万人の街でありながら、J1チームのホームタウンである。

サガン鳥栖のホームスタジアムである鳥栖スタジアムは、鳥栖市の所有物である。当然のことながら収容は25,000人近くあり、J1ライセンスを満たしている。

鳥栖市は、人口は7万人台であるが財政力指数は0.94であり、比較的安定しているといってよいだろう。また、博多駅、佐賀駅から20分と交通アクセスも良い。

鳥栖スタジアムは、鳥栖フューチャーズのホームスタジアムとして、JR鳥栖駅にあった鳥栖機関区、鳥栖操車場跡地に建設された。起工は1994年12月、開場は1996年5月。建設費は約67億円。

92年ごろの市会議録から多目的スタジアム建設やPJMの佐賀移転の言及があり、93年8月にはPJMのホームタウン受け入れへと進んでいく。結果的には鳥栖フューチャーズと名前を変更したものの、97年に解散を決議し、98年に破産宣告、破産開始となる。

鳥栖スタジアムは、会場こそ96年であるが、どちらかといえばバブル期の計画でそのまま突き進んでしまったものだったように見える。結果的に見ればバブル崩壊後に作られたといえるのだろうが、やはり景気のどん底は、長銀、拓殖銀行、山一証券の破綻があった97~98年ぐらいだろう。そう考えると、バブル期の勢いと、Jリーグ開幕の勢いもあってできたものだといっていいのかもしれない。

チームが消滅後、署名5万以上を集めチームを作り、Jリーグへと参戦するも経営は厳しくなり、株式会社サガン鳥栖は2005年に法人解散。受け継いだ株式会社サガンドリームスが運営している。

沖縄市:沖縄アリーナ

スポーツ時には8500人収容の沖縄アリーナは、2021年に開業した。総事業費は162億円。B1リーグの琉球ゴールデンキングスのホームアリーナである。

人口は約14万人。沖縄市の財政指数は0.57。那覇市からのアクセスは車で40分程度。

ただしこのアリーナは、沖縄振興特定事業推進費や防衛省の再編推進事業補助金などが活用されており、必ずしもどこの街でも再現できるものではない。(参考)75%~90%が国の支出?結局何割になったのかぱっと出てこなかった。

市の施設だけど、実質市の財源で作られていない。

太田市:太田アリーナ(オープンハウスアリーナ太田)

太田市の人口は約22万人。財政指数は0.95。B1の群馬クレインサンダースがホームタウンとしている。太田アリーナの開業に合わせて、前橋市から太田市にホームアリーナを移転している。

総工費は78億5000万円。企業版ふるさと納税を活用し、オープンハウスが実質負担しているが税額控除があるので実質負担は1割程度とみられている模様。(参考

交通の便が悪いながらも、太田市が観光資源としてクラブを誘致していたところと、オープンハウスの創業者の出身地であることと様々な条件がかみ合った結果とはいえ、行政としての負担も軽く建設できた例といっていいだろう。

おそらくこのスキームであればどの街でも真似はできる。問題は市が積極的であることと、支援してくれる企業があること。そしてそれにかかわるチームがあることだろう。

行政もチームもお互いに選ぶべき

お互いに選択の余地があるといっていいだろう。

現代の日本において、交通インフラを含めて施設を建設することは、国の事業でもなければ不可能だろう。その点を踏まえると、地域にもよるがある程度の交通インフラがあることは必要だろう。

たまたまその場所にチームがあるからといって、アリーナがなければ確保しなければリーグに参戦できない。一番手っ取り早いのは自分たちですべて拠出して立ててしまう形。民設民営であれば、行政がお金を出す必要もなく、行政としては何ら問題ないだろう。この形(民設民営)の例は、A東京(トヨタ自動車)、千葉J(三井不動産、mixi)、三河(アイシン)、長崎(ジャパネット)、FE名古屋(豊田通商)とある。

行政もチームがあるから必ずしも作る必要などないはずだ。作って市の財政が悪化するのは本末転倒だ。まず市民サービスがあってこその余暇施設だろう。

市主体で初めたところでうまくいくはずもなく、チームを応援する土壌がありそのうえで参画する企業があり、チームがあってこそうまくいくのだろう。

SAGAアリーナの建築主が佐賀県で、チームもBリーグの佐賀バルーナーズとVリーグの久光スプリングスの2チームが利用する点もある。やはりそれなりの規模のアリーナであると、都道府県単位で考えていくのも選択肢の一つといえるだろう。

結局のところ、そのチームが盛り上がっていて、地域の振興に役立てているのかだろう。人が動けばお金は動くのだ。周りの商店にお金が落ちるだろうし、波及効果はあるはずだ。

ただただ、ライセンスのためだけに何も実績がないのに「アリーナを作りたい」といったところで、なかなか動けないのが実情だろう。

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