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WRCの特別ナンバーの根拠法を探す

モータースポーツ
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auto sport webの記事に、山本議員の発言として、「仮ナンバーではなく特別ナンバー」という発言がある。この根拠法はどこにあるのだろうか。

山本左近議員の発言

「今回の車両のナンバーについても、仮ナンバーという声も聞きますけど、仮ナンバーではなくて、今回のWRCラリージャパンだけの特別ナンバーを付けることで公道の走行が可能になっていますので、まずは今回の大会が開催されているということが、日本にとっても非常に画期的な、大きな一歩だと思います。もちろんさまざまな反省点がこれから出てくると思いますから、さらによくしていくために、しっかりと今回の件を検証して、次につなげていきたいと思います」と、山本氏。

「最初から100点満点はもらえません」豊田章男社長、そして山本左近議員が語る12年ぶりのラリージャパン開催の意義、auto sport web, 2022/11/13 14:10

と、特別ナンバーをつけて走行したらしい。

仮ナンバーとはそもそも何なのか、特別ナンバーの根拠法はどこにあるのか追ってみよう。

道路運送車両法におけるナンバープレート

ナンバープレート表示の根拠法は、道路運送車両法と道路運送車両法施行規則に基本的には定義される。

(自動車登録番号標の表示の義務)
第十九条 自動車は、第十一条第一項(同条第二項及び第十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により国土交通大臣又は第二十五条の自動車登録番号標交付代行者から交付を受けた自動車登録番号標を国土交通省令で定める位置に、かつ、被覆しないことその他当該自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして国土交通省令で定める方法により表示しなければ、運行の用に供してはならない。

道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)

(自動車登録番号標の表示)
第八条の二 法第十九条の国土交通省令で定める位置は、自動車の前面及び後面であつて、自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして告示で定める位置とする。ただし、三輪自動車、被けん引自動車又は国土交通大臣の指定する大型特殊自動車にあつては、前面の自動車登録番号標を省略することができる。
 法第十九条の国土交通省令で定める方法は、次のいずれにも該当するものとする。
  自動車の車両中心線に直交する鉛直面に対する角度その他の自動車登録番号標の表示の方法に関し告示で定める基準に適合していること。
  自動車登録番号標に記載された自動車登録番号の識別に支障が生じないものとして告示で定める物品以外のものが取り付けられておらず、かつ、汚れがないこと。

道路運送車両法施行規則(昭和二十六年運輸省令第七十四号)

道路運送車両法におけるナンバープレートは、普通の自家用車に取り付けられるナンバープレートや、皇室車両の皇ナンバー、仮ナンバー等が含まれる。

その他にも外交特権のために外務省が公布するナンバーや、自衛隊法に基づき道路運送車両法が適用されない自衛隊車両につけられるナンバーが存在する。

道路運送車両法

普通自動車のナンバー(第一号様式(自動車登録番号標)(第十一条関係))

普通自動車のナンバープレートは、道路運送車両法施行規則第11条により、第一号様式として定義されている。

自家用車両は白地に緑文字、事業用自動車は緑地に白文字と様式により定められる。

Japanese green on white license plateJapanese white on green license plate

皇室(第一号様式の二(自動車登録番号標)(第十一条関係))

道路運送車両法施行規則第11条2項により、第一号様式の二として定義されている。

 前項の規定にかかわらず、宮内庁の所管に属する自動車であつて、専ら天皇、皇后又は皇太后の用に供すべきものの自動車登録番号標は、第一号様式の二による。

道路運送車両法施行規則(昭和二十六年運輸省令第七十四号)
https://elaws.e-gov.go.jp/data/326M50000800074_20220331_504M60000800036/pict/2FH00000003944.pdf

軽自動車のナンバー(第十二号様式(車両番号標)(第四十五条関係))

軽自動車のナンバーの様式は臨時検査合格標章と同じ個所で定められている。

(臨時検査合格標章等の様式等)
第四十五条 次の表の上欄に掲げるものの様式は、それぞれ同表の下欄に掲げる様式とする。

一 臨時検査合格標章第十一号様式
二 検査対象軽自動車の車両番号標第十二号様式
三 二輪の小型自動車の車両番号標第十三号様式

 第十一条第三項の規定は、前項の車両番号標について準用する。

道路運送車両法施行規則(昭和二十六年運輸省令第七十四号)

事業用車両は黒字に黄文字、自家用車両は黄地に黒文字だ。

Japanese black on yellow license plateJapanese yellow on black license plate

臨時運行許可番号標(第三号様式(臨時運行許可番号標)(第二十五条関係))

俗にいう仮ナンバーのいわれるもの。車検切れ車両を動かす際や、ナンバープレートの盗難や棄損時に、一時的に走行するために取り付けられる。

(臨時運行の許可)
第二十条 法第三十四条第一項(法第七十三条第二項において準用する場合を含む。)の臨時運行の許可は、その運行の経路の最寄りの行政庁(運輸監理部長若しくは運輸支局長又は市、特別区若しくは道路運送車両法施行令(昭和二十六年政令第二百五十四号。以下「施行令」という。)第四条に規定する町村の長をいう。)が行う。
(臨時運行許可証等)
第二十五条 臨時運行許可証は第二号様式、臨時運行許可番号標は第三号様式による。

道路運送車両法施行規則(昭和二十六年運輸省令第七十四号)
https://elaws.e-gov.go.jp/data/326M50000800074_20220331_504M60000800036/pict/2FH00000008937.pdf

左側の文字が、運輸管理部、運輸支局又は自動車検査登録事務所の表示する文字。右下の文字が当該行政庁名が表示される。(ただし運輸管理部長又は運輸支局長が貸与するものは行政庁名を表示しない)

白地に黒文字で、斜線は赤色で書かれる。

WRCで用いられているナンバープレートは、ほぼこの形に見える。左側が名古屋で、行政庁名がないものだった。名古屋が表示されるのは、愛知運輸支局となってはいる。

回送運行許可番号標(第五号様式(回送運行許可番号標)(第二十六条の六関係))

ディーラーナンバーと呼ばれたりもする。メーカーやディーラーが回送運行する際に使用する。

(回送運行の許可の申請)
第二十六条 法第三十六条の二第一項(法第七十三条第二項において準用する場合を含む。)の許可(以下「回送運行の許可」という。)を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を地方運輸局長に提出しなければならない。
(回送運行許可証等)
第二十六条の六 回送運行許可証は第四号様式、回送運行許可番号標は第五号様式による。

道路運送車両法施行規則(昭和二十六年運輸省令第七十四号)
https://elaws.e-gov.go.jp/data/326M50000800074_20220331_504M60000800036/pict/2FH00000006395.pdf

左側の表示は、臨時運行許可番号標と同じ。白地に黒文字で枠が赤色だ。

臨時運転番号標(第十五号様式(臨時運転番号標)(第六十三条の二関係))

検査対象外軽自動車の試運転・回送等に使用される。

(検査対象外軽自動車の使用の届出等)
第六十三条の二 車両番号の指定を受けていない検査対象外軽自動車を運行の用に供しようとする者は、運輸監理部長又は運輸支局長に届出書を提出しなければならない。この場合において、運輸監理部長又は運輸支局長は、第六十三条の六第三項の軽自動車届出済証返納証明書その他の必要な書面の提出を求めることができる。
 第三十六条第一項(第一号に係る部分に限る。)及び第二項の規定は、前項の届出書を提出する場合に準用する。
 法第九十七条の三第一項の規定により運輸監理部長又は運輸支局長が行う車両番号の指定は、当該届出に係る検査対象外軽自動車の車両番号を定め、軽自動車届出済証を交付することによつて行う。ただし、試運転又は回送その他特別の事由がある場合は、法第九十七条の三第二項で準用する法第七十三条第一項の規定により表示すべき車両番号標として臨時運転番号標を貸与し、かつ、臨時運転番号標貸与証を交付することによつて行う。
 法第九十七条の三第二項で準用する法第七十三条第一項の規定により表示すべき車両番号標(臨時運転番号標を除く。)及び臨時運転番号標の様式は、それぞれ第十四号様式及び第十五号様式による。

道路運送車両法施行規則(昭和二十六年運輸省令第七十四号)
https://elaws.e-gov.go.jp/data/326M50000800074_20220331_504M60000800036/pict/2FH00000022109.pdf

上段は、臨時運行許可番号標と同じ。

白地に黒文字で、幅10mmの赤枠で囲む。ただし赤枠は図示されていない。

自衛隊法

自衛隊法113条により、道路運送車両法が適用されない。自衛隊法第114条の規定により特殊なナンバーが取り付けられる。

(道路運送車両法の適用除外)
第百十四条 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)の規定は、自衛隊の使用する自動車のうち、政令で定めるものについては、適用しない。
 道路運送車両法の規定が適用されない自衛隊の使用する自動車については、防衛大臣は、保安基準並びに整備及び検査の基準を定めなければならない。
 道路運送車両法の規定が適用されない自動車は、防衛大臣の定めるところにより、他の自動車と明らかに識別することができるような番号及び標識を付さなければならない。
 自衛隊の使用する自動車以外の自動車は、前項に規定する番号若しくは標識又はこれらにまぎらわしい番号若しくは標識を付してはならない。
 第三項の自動車に付する標識の制式は、官報で告示する。

自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)

昭和45年防衛庁訓令第1号で定義されているように思う。

白地に緑文字で「2桁-4桁」のアラビア数字で表記される。臨時運行(試運転、回送)は赤斜線が入った標識を使用できる。

外務省発行

「外ナンバー」「外交ナンバー」「ブルーナンバー」と呼ばれる。

日本の法律が適用されない。一番自由度が効いている車両群なのかもしれない。

「青地の板に白色で「〇で囲んだ”外”」「外」「代」もしくは、白地の板に青色で「領」の一文字と3桁から5桁のアラビア数字が記される。なお数字の前には”“が入る場合がある。」とwikipediaにはあるが、外務省ホームページをあさっても案外出てこない。

President's limousine

在留米軍車両

平成8年3月28日に外務省が発表した「米軍公用車両番号標に関する日米合同委員会合意について」に記載がある。

1 全ての車両は、日本の公道又は私道において運用される際には、車体の前方部及び後方部に番号標を付ける。(略)また、白色の背景に黒、青、又は赤色の明確な識別番号を付したもの。

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第10条2の実施に関する措置

ただ、下の画像のようにwikipediaに合った画像ではこれに合致していない。

日米地位協定第10条には、

1 日本国は、合衆国が合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族に対して発給した運転許可証若しくは運転免許証又は軍の運転許可証を、運転者試験又は手数料を課さないで、有効なものとして承認する。
2 合衆国軍隊及び軍属用の公用車両は、それを容易に識別させる明確な番号標又は個別の記号を付けていなければならない。
3 合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにそれらの家族の私有車両は、日本国民に適用される条件と同一の条件で取得する日本国の登録番号標を付けていなければならない。

日米地位協定 第十条

とあり、「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)及び関連情報」のページに上記の両資料が掲載されていることから有効であるように見える。

wikipediaの画像がどこでいつ取られたのかはわからないが、インターネット上で検索すると白地のものは割と出てくるので、新しい車両は日米合同委員会合意で定められた形の番号標がついているように思う。

国際ナンバー

1年間であれば、その国のナンバーで外国にもっていって走行ができるもの。ハイフンがなくなり、ひらがなや漢字はアルファベットになる。

条件としては、必ず日本へ戻ってくること。海外ラリーの参加の際に(相手国が対象であれば)利用ができる。

ジュネーブ条約の締結国間は、そのままのナンバープレートで走れるので国際ナンバーは不要。

で、結局どれなのか

中継映像や、autosportに掲載された写真やTwitterで出てくる画像を見ると、形状として似ているものは、臨時運行許可番号標でだ。そもそも赤斜線が入っているのはこれだし、だからみんな仮ナンバーと呼んでいたのだ。

下の空白が大きいように見えるが、文字が入らないパターンが適用されているのでこう見える。

しかし議員は仮ナンバーではないという。

法律に戻ってみよう。道路運送車両法施行規則における臨時運行許可番号標の表示では、「法第三十四条第一項(法第七十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定による臨時運行許可番号標」とあるのでそこを見てみよう。

(臨時運行の許可)
第三十四条 臨時運行の許可を受けた自動車を、当該自動車に係る臨時運行許可証に記載された目的及び経路に従つて運行の用に供するときは、第四条、第十九条、第五十八条第一項及び第六十六条第一項の規定は、当該自動車について適用しない。
 前項の臨時運行の許可は、地方運輸局長、市及び特別区の長並びに政令で定める町村の長(「行政庁」という。次条において同じ。)が行う。
(許可基準等)
第三十五条 前条の臨時運行の許可は、当該自動車の試運転を行う場合、新規登録、新規検査又は当該自動車検査証が有効でない自動車についての継続検査その他の検査の申請をするために必要な提示のための回送を行う場合その他特に必要がある場合に限り、行うことができる。 臨時運行の許可は、有効期間を附して行う。
 前項の有効期間は、五日をこえてはならない。但し、長期間を要する回送の場合その他特にやむを得ない場合は、この限りでない。
 行政庁は、臨時運行の許可をしたときは、臨時運行許可証を交付し、且つ、臨時運行許可番号標を貸与しなければならない。
 前項の臨時運行許可証には、臨時運行の目的及び経路並びに第二項の有効期間を記載しなければならない。
 臨時運行の許可を受けた者は、第二項の有効期間が満了したときは、その日から五日以内に、当該行政庁に臨時運行許可証及び臨時運行許可番号標を返納しなければならない

道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)

結局はいわゆる仮ナンバーの規定による、(形式上は)臨時運行の許可が下りたと考えるのが自然なように思う。

全日本ラリー選手権のJN-2クラスも臨時運行許可で出走できる。(参考)となるとやはり、世界ラリー選手権も臨時運行許可なんだと思う。

一応条文にも「その他特に必要がある場合に限り」とあるように、特に必要がある場合には可能だ。ラリーの日数も4日間であるし、期限的には何ら問題もない。行政が協力する姿勢は見せてたので必要と認めればそれでいいのだろう。

東京五輪や長野五輪、ラグビーワールドカップでは特別措置法が作られている。しかし検索しても出てこないので、特段立法したわけでもなさそうだ。

法律上定義されているナンバーと違う点を挙げるとすれば、ねじ穴が3か所ずつ空いているように見える。(autosportの記事画像が分かりやすい)

法律上は、1つずつなのでこの点を見れば法律に適合していないものを着用しているともいえよう。

「仮ナンバー」に準じた番号標であることは確か

結論はこうとしか言えないと思う。

山本左近議員が何をもって「特別」と評したのかはわからないが、一般的に「仮ナンバー」は「臨時運行許可番号標」を指しているように思う。当該行政庁名の表示有無はこの規定内だ。

「ラリーナンバーというラリーカーが公道を走るため専用の臨時ナンバー」なんてものは定義されていないのだ。

いろいろと調べていると、結局は主催者が取りまとめて陸運支局へ出したから「特別ナンバー」と表しているようだ。ただし、この申請ルートは臨時運行許可番号標の申請先として認められているものである。もちろん関係各所の調整があったからこそできたことではある。議員としての立場であれば、その点を強調する必要があって「特別ナンバー」と表したのかもしれないが、現行法上は「仮ナンバーの一種」といっても何ら間違ってもいないだろう。

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