スポンサーリンク
スポンサーリンク

F1のポイント解釈が面白い話

モータースポーツ
スポンサーリンク

3年ぶりに日本でF1が開催された。あいにくの雨模様で、中断を挟んだものの規定周回数の半分を超えたあたりで制限時間となり、レースは終了した。

シーズンも佳境であり、ドライバーチャンピオン争いにも注目されていたなか、ルクレールがレース後5秒ペナルティを受けると「ワールドチャンピオン」が決まったとアナウンスが入る。果たして???

事前の見立て

鈴鹿でのチャンピオン決定は、こう考えられていた。参考1参考2

今回は走行できたのは、29周で50%~75%未満の周回数だ。

フェルスタッペンが優勝し、3位がルクレール。フルポイントではないと思われたさなか。

https://f1.sportsnavi.ht.kyodo-d.jp/session/3747545/%E6%B1%BA%E5%8B%9D/text

しかし、フルポイントが付与され混乱する世界の人々。

https://f1.sportsnavi.ht.kyodo-d.jp/point/ より 2022/10/9 17:38に取得。日本GPではフルポイントが付与されている。

規則を確認しよう

そもそものルールを見てみよう。FIA Suporting regurationsは、キチンと一般公開されている。

6.5 If a race is suspended in accordance with Article 57, and cannot be resumed, points for each title will be awarded in accordance with the following criteria:
a) No points will be awarded If the leader has completed less than two (2) laps.
b) In each case detailed in Article 6.5c), 6.5d), 6.5e) and 6.5f), no points will be awarded unless a minimum of two (2) laps have been completed by the leader without a Safety Car and/or VSC intervention.
c) If the leader has completed two (2) laps but less than 25% of the scheduled race distance, points will be awarded in accordance with column 1 of the table below.
d) If the leader has completed 25% but less than 50% of the scheduled race distance, points will be awarded in accordance with column 2 of the table below.
e) If the leader has completed 50% but less than 75% of the scheduled race distance,
points will be awarded in accordance with column 3 of the table below.
f) If the leader has completed 75% or more of the scheduled race distance, full points will be awarded in accordance with Article 6.

Formula 1- Sporting Regulations – 2022 Issue 7, FIA, 2022/6/29

ポイント配分の表は省略した。Wikipediaにもあるので確認してほしい。

そう。この条文は第57条によって途中で中断され、再開されなかった場合の規定だ。第57条は、「SUSPENDING A SPRINT SESSION OR A RACE」でありつまりは赤旗が提示された場合の手順が示されている。

今回の鈴鹿のレースは、赤旗でレースは中断されたものの、そのまま終了したわけではなく再開し終了したのだ。となると、この条文にある「and cannot be resumed」には該当しない。なぜなら再開し、シグナルはグリーンとなったのだ。ということは、この条文は採用できないから6.4条が適用されるのだろう。

6.4 Points for both titles will be awarded at each Event according to the following scale:
Position Points
(表省略)
In addition to the above, one (1) point will be awarded to the driver who achieved the
fastest valid lap time of the race and to the constructor whose car he was driving,
provided he was in the top ten (10) positions of the final race classification (see Article 62). No point will be awarded if the fastest valid lap time is achieved by a driver who was classified outside the top ten positions, or if the leader has completed less than 50% of the scheduled race distance.
At those Events where a sprint session takes place, points for both titles will be awarded
based on the final sprint session classification according to the following scale:
(表省略)

Formula 1- Sporting Regulations – 2022 Issue 7, FIA, 2022/6/29

ちなみに、ファステストラップのポイントは、50%以上の周回が完了しないと付与されないし、決勝10位以内でなければ付与されない。

当然のことながらレース終了規定は別途定められていて、第52条にある。

52) FINISH
52.1 A chequered flag will be the end-of-session signal and will be shown at the Line as soon as the leading car has covered the full distance in accordance with Article 5.3.
52.2 Should for any reason the end-of-session signal be given before the leading car completes the scheduled number of laps, or the prescribed time has been completed, the sprint qualifying
session or the race will be deemed to have finished when the leading car last crossed the Line before the signal was given.
Should the end-of-session signal be delayed for any reason, the sprint qualifying session or the race will be deemed to have finished when it should have finished.

Formula 1- Sporting Regulations – 2022 Issue 7, FIA, 2022/6/29

第52条によると、予定されていた周回を消化していなくても、規定時間に達した場合終了する。

2021年ルールとSUPERGT/SUPER FORMULAの規定

2021年のFormula 1 Sporting Regulationsはこうだ。

6.5 If a sprint qualifying session or race is suspended under Article 50, and cannot be resumed, no points will be awarded if the leader has completed two laps or less, half points will be awarded if the leader has completed more than two laps but less than 75% of the original sprint qualifying session or race distance and full points will be awarded if the leader has completed 75% or more of the original sprint qualifying session or race distance.
If the formation lap is started behind the safety car (see Article 42.1c)), the original sprint qualifying session distance will be deemed to be the distance calculated in accordance with
Article 5.3a)ii). However, the maximum sprint qualifying session time of one and a half (1.5) hours (see Article 5.3a)i)) will commence at the scheduled sprint qualifying session start time.
If the formation lap is started behind the safety car (see Article 42.1c)), the original race distance will be deemed to be the distance calculated in accordance with Article 5.4c). However, the
maximum race time of three (3) hours (see Article 5.4b)) will commence at the scheduled race start time.

2021 Formula 1 Sporting Regulations issue 13 , FIA, 2021/12/8

これも結局のところ「under Article 50」の示している先が違うだけで、「race is suspended, and cannot be resumed」である。そう。結局今までもレースが中断終了した場合がハーフポイントだっただけなのだろう。
ハーフポイント事例はwikipediaをみるとF1では6度しかないわけで、案外珍しい事象なのだろう。

ここからは、日本のレースのルールも見てみよう。

SUPER GT

日本のモータースポーツで一番観客のはいるSUPERGT。そのルールはこうなっている。

第7条 シリーズ得点
(省略)
2. シリーズの一戦として認定された各競技会において、ドライバーおよびチームに与える得点は、次の通りとする。
(省略)
3)不可抗力によるレースの中止の場合の取り扱い:
 (1)先頭競技車両が2周回を完了する前にレースが中止された場合レースは成立せず、各決勝レースのシリーズ得点は与えられない。
 (2)先頭競技車両が2周回を完了し、かつ走行距離が当初のレース距離、もしくは当初のレース時間の75%未満でレースが中止された場合
 レースは成立し各決勝レースのシリーズ得点の半分が与えられる。
 (3)先頭競技車両が当初のレース距離、もしくは当初のレース時間の75%以上を完了した後にレースが中止された場合
 レースは成立し各決勝レースのシリーズ得点はすべて与えられる

2022 SUPER GT Sporting Regulations, GTA

こうやって見ると、ハーフポイントは「中止」の扱いとされていてF1と同じようにも見える。

第38条 レース終了
1. レース終了は、フィニッシュライン(最終のコントロールライン)を基準として管理される。ここでいうコントロールラインとは、コースおよびピットレーンの双方を交差する単一の直線を指す。
レースの終了の合図(チェッカーフラッグ)は、先頭車両が当初のレース距離もしくはレース時間を走行し終わった時点で直ちに提示される。
レース距離が走破される前に競技会特別規則に規定される決勝レース終了時刻を超過した場合、この時刻を超過した後の周回(最終周回)の先頭車両(リーディングカー)がコントロールラインを通過した時点でレース終了の合図が提示される。
最終週にピットインした場合でもピットレーン上のコントロールラインを通過すればチェッカーフラッグを受けたものとする。

2022 SUPER GT Sporting Regulations, GTA

レース終了規定をみても、規定時間が来てチェッカーフラッグが振られたものはレース終了を解するべきだろう。となると、第7条のレース中止規定には該当しないように思えるが、現実的には、2022第2戦の富士では、赤旗後にSCリスタートが切られそのままチェッカーフラッグが振られたもののハーフポイントであった。(参考:2022ランキング)

SUPER FORMULA

日本トップフォーミュラであるSUPER FORMULAのルールはこうだ。

第7条 選手権得点
1.選手権得点は、所定の書式により予めJAFに公式に登録されたドライバーおよびチーム(エントラント)に対して与えられる。
2.選手権レースとして認定された各レースにおいて、ドライバーおよびチームに与える得点は、下記の得点基準を適用する。非得点者があった場合は、その順位を繰り上げて得点が与えられる。
(省略)
3)不可抗力によるレース中止の場合の取り扱い:
(1)先頭車両が2周回を完了する前にレースが中止された場合、レースは成立
せず、選手権得点は与えられない。
(2)先頭車両が2周回を完了し、かつ走行距離がレース距離の75%未満でレ
ースが中止された場合、レースは成立し選手権得点の半分が与えられる。
(3)先頭車両がレース距離の75%以上を完了した後にレースが中止された場
合、レースは成立し選手権得点はすべて与えられる。

2022年全日本フォーミュラ選手権統一規則、JAF,2022/1/1,https://motorsports.jaf.or.jp/-/media/1/3375/3379/3400/3462/3466/3492/2022_touitsu_kisoku_superformula_20220101.pdf

日本のレースだけあってか、SUPER GTとほぼ同じ文面だ。SUPER GTはJAF管轄下の全日本選手権ではないものの、元をたどるとJAF管轄下のレースであったし、その流れは汲んでいるのだろう。

レース終了規定は、第36条に定められており、

第36条 レース終了
1.レース終了の合図(チェッカーフラッグ)は、先頭車両が全レース距離を走破した時点で直ちに表示される。
2.チェッカーフラッグの表示を受けた後の危険な追越しは禁止される。各々の最終周にピットインした場合でもピットレーン上のコントロールラインを通過すればチェッカーフラッグを受けたものとする。
3.万一チェッカーフラッグが不注意、その他の理由により先頭車両が規定周回数を完了する前に表示された場合でも、レースはその時点で終了したものとみなされる。
4.また、チェッカーフラッグが不注意によって遅れて表示された場合には、最終順位はレース距離が達成された時点における順位に従って決定される。
5.チェッカーフラッグの表示を受けたすべての車両は、原則としてコースを1周した後、直ちに直接パークフェルメに進むものとする。
6.チェッカーフラッグが表示された時点でピット出口は閉鎖される

2022年全日本フォーミュラ選手権統一規則、JAF,2022/1/1,https://motorsports.jaf.or.jp/-/media/1/3375/3379/3400/3462/3466/3492/2022_touitsu_kisoku_superformula_20220101.pdf

となっている。ここには規定時間とは書かれていないものの「その他の理由により先頭車両が規定周回数を完了する前に表示された場合」に該当すれば、チェッカーフラッグを提示してレースを修了することは可能だ。

SUPER FORMULAもルール上は「不可抗力によるレース中止の場合」にハーフポイントルールが設けられており、厳密に組むとこれもF1と同様に再開されている場合は「レース成立」が正しいのかもしれない。

ハーフポイントであった2021年第3戦は赤旗をもって終了でなので、ルールに即してはいそうだ。

慣習とルールがあっていない可能性はある

慣習とルールがあっていない可能性はある。だからこそ混乱は生まれるのだろう。

でもルールはルールだ。

wikipediaのF1のポイント配分を見ても、現時点では下図のように書かれている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/F1%E4%B8%96%E7%95%8C%E9%81%B8%E6%89%8B%E6%A8%A9%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0、2022/10/9 18;40参照

ネットメディアを見ても

そのため、FIAは短縮レースに関するルールを変更。セーフティカーやバーチャルセーフティカーなしでレースリーダーが最低2周を走らなければポイントが与えられないことになった。つまり、新ルールでは昨年のベルギーGPはノーポイントとなる。
また、ポイント規定はさらに細分化される。レースリーダーが2周し、かつ走行距離が本来のレース距離の25%未満だった場合、上位5人にポイントが与えられる。
レース距離の25%〜50%を完走した場合は上位9名が、予定レース距離の50%〜75%を完走した場合は上位10名がポイントを獲得する。

F1、レース短縮時のポイントシステムを変更。レース距離に応じて4段階に分けてポイントを付与、mortorsport.com, 2022/2/15 16:11,https://jp.motorsport.com/f1/news/fia-changes-f1-points-rules-after-belgian-gp-washout/8181237/

となっており、レースが短縮したときのルールが変わったように思える。

割とそうだと思いがちではあるとは思う。「レースがどれだけ走ったかによってポイント」が変わるよ、と言われればまあそうだよね、と思いそうな気もするのだ。

でもルールには、「中断し終了したとき」のルールが設けられているだけに過ぎないのだろう。
このF1によって知ることになったこのルールは、日本のレースにも影響することになるのだろうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました