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サッカーにおけるオフサイドルールはどうなっていくべきか

サッカー
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ワールドカップにおいて、半自動オフサイドテクノロジーが導入され、開幕戦から発動しゴールが取り消しとなった。この先、このルールはどうなっていくべきか。

いろんな競技にオフサイドはある

半自動オフサイドテクノロジーには、ボール内部のセンサーが使われるわけで、ようやくその時代が来たのか、と思うところもある。結局、位置を特定するのはセンシングデバイスを活用することが一番簡易のは明らかだった。このアイディア自体は古くからあり、2015年にはadidasがスマートボールなるものを開発したニュースは出てくる。とはいえ、試合中にずっと使えるかといえばそうではなかったわけで、技術が進んだといえるのだろう。

サッカーのオフサイドは、①守備側チームのフィールド内で②ボールより守備側チームのゴールラインに近い位置で③後方から2人目の守備側競技者よりゴールラインに近い位置で攻撃に関与することで発生する反則だ。「2人目の守備側競技者よりゴールラインに近い位置」というのがいわゆるオフサイドラインで、これを正確に判断することが要求されるわけだから難しい。ボールは絶えず動いているし、選手も動いている。ラインも随時変化する中での判断を迫られるわけで当然ミスが起きやすいものであろう。

サッカーと同じフットボールから派生したとされるラグビーにもオフサイドは存在する。スクラム、ラインアウト、ラック、モール、キックとそれぞれオフサイドラインがある。スクラム、ラインアウトでは、そのプレーに参加してはいけないプレーヤーが離れなければラインといえばよいのだろう。ラック、モールは新たにプレイに参加する場合は後方から参加することが求められる。ラグビーのオフサイドはオフェンス側に限定されているわけではない

アメフトにもオフサイドはあり、ボールがスナップ時にニュートラルゾーンへ侵入することを指す。日本のルール(NCAA)上では、オフサイドはディフェンスのプレイヤーしかとられない。(アメフトルール,p.R-43)NFLは一応どっちもありえる。

アイスホッケーは、オフサイドラインをパックが通過するよりも早く、プレイヤーが入った場合にとられる。これはオフェンス側のみが取られるものだ。

フィールドホッケーのオフサイドは、1996年に廃止された。

コート系の競技で言うと、フットサルやハンドボール、バスケットボールにオフサイドはない。

日本ではなじみの薄いネットボールにはオフサイドが存在する。これは、選手が決められた範囲以外の場所に入った場合の反則だ。

と、いろんな競技にオフサイドがあったりなかったりするわけではある。しかし判定の難易度でいうとやはりオフサイドラインが絶えず動き続けるサッカーが一番難易度が高いように思えてならない。

VAR・半自動オフサイドテクノロジー

結局、サッカーにおけるオフサイドは難しいのだ。だからミスがあるともいえるし、後々問題になったりすることもある。今回の大会で導入された半自動判定もそういったミスを抑制するために導入されたといってもいいだろう。

半自動で信頼性が高いのであれば一見問題ないともいえる。2014年でゴールラインテクノロジーが導入されたことを皮切りに、2018年大会でVARが導入されPKは増えた。(参考)警告選手の取り違えや悪質なファウルを是正するための機能としては必要ないようには思う。今大会で半自動オフサイドテクノロジーが導入されることとなったわけではあるが、これは果たしてどの程度のプレーが変更されることになるのだろうか。

3年前の記事「未来のサッカーは二つに分かれる。VAR経由でAI審判へ」のように、トッププロのサッカーと市井のサッカーはもうすでに別物になりつつあるのだろう。厳密なオフサイド判定など市井のサッカーに求めようがないし、厳密性にとらわれるとサッカーという競技は難しい。どのスポーツもそうではあるが、人が判定することに対する主観を排除しているスポーツは、接触スポーツであればなかったはずなのだ。でもそれを変えようとしているようにも見えてしまう。

オフサイドをなくすのも選択肢となりうるのか

2017年にファンヴァスティン氏がオフサイド廃止を主張していたこともあるが、これも選択肢の一つであろう。そもそも判定しにくいのだからなくすというのはありだ。これなら厳密性など必要ないし、トッププロと市井でも同じ環境で行われるともいえる。(まぁVARをなくすのは無理だろうからもう違うんだろうが)

ただ、ゴールの大きさやフィールドの大きさからするに、結局ロングパス一辺倒になることは容易に想像できるし、実現性は低いように思う。

もっと簡易的にするのはできるような気もする。ペナルティエリアやゴールエリアの横方向(センターラインと並行の方向)の延長線を使うとか。そのラインより先に守備側競技者が2人以上いるかで判断する、みたいな。この場合もう1本ぐらいライン欲しくなる気がするのは確かではある。

現状日本のルールでは「ボールが味方競技者によってプレーされたか触れられた瞬間」とタイミングは記述されているわけだが、この瞬間というのも難しい。Jリーグジャッジリプレイなんかでも度々取り喘げられるわけだが、タイミングをどう切り取るかで変わるのだ。そもそも「プレーされた」がどういう定義なのか競技規則に書かれていないような気がするわけで、なかなかに難しい。

17/18の競技規則から「ボールを「プレーした」か「触れた」最初のコンタクトポイントを用いるべきである。」と注釈が書かれるようになった。(22/23でもPDF版には記載がある。Web版は記載なし)とはいえこれでもなかなかな理解は難しいものだ。

とはいえ半自動システムができたということは、より厳格に定義されたのだろう。
2022年の改正として、「「意図的なプレー」と「ディフレクション」との違いに関するガイドラインの明確化ついて」が通達として出されている。

昨年一時期話題に上がったことがある、「体の一部が残っていればオンサイド」ルールは特段通達されていない。インターネットでは去年のサイト(特にブログ記事は消すわけでもないので永久的に残り続ける)やTwitter等でいまだに出てくるし、それをソースとしたブログ記事が最近になっても書かれているので注意してほしい。Youtubeなんかにも今年になってから普通に動画を上げる人々がいるので注意してほしい。(IFABの22/23の変更)

ルールに関しては結局、公式の競技規則や通達が引用されていないものは信用しないこと。これに尽きるといってもいい。

厳密性はスポーツではなくなる?

と、話はそれたがVARや半自動システムをするにあたって、ルールは厳格になる可能性をはらんでいる。判定をするということは、決める必要があるのは致しかたない。とはいえ、スポーツは同じルールの上でトッププロでも市井でも基本的には同じルールで行うものだ。システマチックに対応するためにルールがより煩雑になり、人間では裁くことが不可能になってはいけないように思う。

スポーツは、システムの元に行われるものではないはずだ。もちろん生活が懸かっているトッププロ入るのは事実ではあるし、賭け事にもなっている以上公平性を担保するべきではあるのだろう。しかし、判定システムが導入され、高度化するにつれて市井で行われるものとは違う新たものとなってしまっているのではないだろうか。これは、果たしてスポーツなのだろうか。

参考文献

サッカー競技規則 JFA, IFAB
ラグビー競技規則 JRFU, World RUGBY
アメフト競技規則 JAFA
アイスホッケー競技規則 JIHF

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