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バスケットボールにおける「ファイティング」

Bリーグ
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先日あったので一応まとめ。

もうすぐ2023年ルールが公表・施行されることになるが、現状公開されておらず、変更も予定されていないのでこの記事では、2022年ルールで取り扱う。

ファイティングの規定

39-1 定義
ファイティングとは、プレーヤー、交代要員、ヘッドコーチ、アシスタントコーチ、5個のファウルを宣せられたチームメンバーやチーム関係者の間で発生する暴力行為のことをいう。
この規定は、コート上やコートの周囲でファイティングが起こったときや起こりそうなときに、チームベンチエリアから出た交代要員、ヘッドコーチ、アシスタントコーチ、5個のファウルを宣せられたチームメンバーやチーム関係者に適用される。
39-2 ルール
39-2-1 ファイティングが起こったときや起こりそうなときに、チームベンチエリアを離れた交代要員、5個のファウルを宣せられたチームメンバー、チーム関係者は失格・退場になる。
39-2-2 ヘッドコーチとファーストアシスタントコーチだけは、審判に協力して争いを止めるためであれば、ファイティングが起こったときや起こりそうなときでもチームベンチエリアから出てもよい。この場合は、ヘッドコーチ、ファーストアシスタントコーチは失格・退場にはならない。
39-2-3 ヘッドコーチやファーストアシスタントコーチがチームベンチエリアから出てコートに入ったのに争いを止めようとしなかったときは、失格・退場になる。
39-3 罰則
39-3-1 チームベンチエリアを離れ失格・退場になった人数にかかわらず、罰則はそのチームのヘッドコーチに1個のテクニカルファウル「B」が記録される。
39-3-2 両チームの者がファイティングの規定によって失格・退場になり、他に適用されるファウルの罰則がない場合は、以下の方法でゲームを再開する。
ファイティングによりゲームクロックが止まったのとほとんど同時に:
・フィールドゴールや最後のフリースローが成功してどちらかのチームに得点が認められた場合は、得点をされたチームがエンドラインの任意の位置のアウトオブバウンズからスローインをしてゲームを再開する。
・一方のチームがボールをコントロールしていた、もしくはボールを与えられることになっていた場合は、そのチームの暴力行為が始まったときにボールがあった場所に最も近い位置からのスローインでゲームを再開する。
・どちらのチームもボールをコントロールしていなかったかボールを与えられることになっていなかった場合は、ジャンプボールシチュエーションになる。
39-3-3 ファイティングの規定によるディスクォリファイングファウルは、チームファウルに数えない。
39-3-4 ファイティングが起こったときや起こりそうなときに、コート上にいたプレーヤーのファウルに対する罰則は全て有効であり、第 42 条「特別な処置をする場合」に則り処置される。
39-3-5 ファイティングが起こったときや起こりそうなときに、ファーストアシスタントコーチ、交代要員、5個のファウルを宣せられたチームメンバーやチーム関係者の失格退場に対するファウルの罰則は全て有効であり、38-3-4の6項目に則り処置される。

2022 バスケットボール競技規則、pp.58-59

定義

ファイティングは、競技規則の第39条に規定される暴力行為を抑制するための規定である。

ファイティング」そのものは、ゲーム関係者の暴力行為を指すわけであるが、規定としては、コートやコート周囲でファイティングが発生したとき、もしくはしそうなときに「チームベンチエリアを出ること」で規定とされる。

つまり、このファイティング規定は、プレイヤーには影響がなく、チームベンチエリアに座ることが許可されている人が、「ファイティング」というシチュエーションにおいて、チームベンチエリアを離れるということは、「ファイティング」と同等の行為であると規定していると考えればいいだろう。

チームベンチエリアに座ることが許可されている人が、暴力行為を行っているかにかかわらず、ベンチエリアを離れた場合に、暴力行為を行ったと同等に扱うということになる。

ただし、チームベンチエリアに座ることが許可されている人のうち、ヘッドコーチ、ファーストアシスタントコーチだけは、ファイティングを止めようとする場合は、チームベンチエリアから出てもよいとされる。

この「ファイティングの規定」が適用されるシチュエーションで、チームベンチエリアを離れた場合、その人は「失格・退場」となる。「失格・退場」はFIBAルールの「disqualified」を訳したものであるが、スコア記入法のB8-3-11(p.p.88-89)やインタープリテーション(p.p.203-204)に書いてある通り、「失格・退場となり「D」と記入され」とあるように、宣せられているものはディスクォリファイングファウルである。ファイティングの規定によるものの場合余った欄を「F」で埋めるが、宣せられているものは、ディスクォリファイングファウルである。

このようにスコアの記入されるようになったのは、2020年度競技規則からでそれ以前はすべてFで埋められていた。とはいえ、私の手元にある2011年度の競技規則の中で39.3.3には現行規則と同じように「ファイティングの規定によるディスクォリファイング・ファウルは、チーム・ファウルにかぞえない」とあるように、ファイティングの規定によって宣せられるものは、比較的前からディスクォリファイングファウルではあったが、スコアシートの上でも明確化された。

罰則

ファイティングの規定による罰則は何か、というと条文にあるように当該の人が「失格・退場」となる。

「失格・退場」となるということは、ディスクォリファイングファウルが宣せられいる。そのうえで、チームベンチエリアを離れ失格・退場になった人数にかかわらず、チームのヘッドコーチにテクニカルファウルが記録される。このテクニカルファウルは「B」と記録されることから、いわゆるベンチテクニカルというものが宣せられる。

2015年ルールまでは、ファイティング規定の適用人数に応じてFT2本が与えられていたが、2018年ルール(FIBAルールは2017年10月)に改正され、積極的に関与していなければ、ファイティングの規定が適用されたチームのベンチテクニカル1つに改正されている。

テクニカルファウル、アンスポーツマンライクファウルの2回累積で失格・退場となる場合は、36-2-5、37-2-4の規定によって、「失格・退場による追加の罰則は与えられない」という例外規定が明示されている一方で、ファイティングの規定の場合には特段記述がない。意図されているのは39-3-5にあるように、「38-3-4」の6項目に則り処理される。

38-3-4 与えられるフリースローの数は以下のとおりである:
・体の触れ合いをともなわないファウル:2本のフリースロー。
・ショットの動作(アクトオブシューティング)中ではないプレーヤーがファウルをされたとき:2本のフリースロー。
・ショットの動作(アクトオブシューティング)中のプレーヤーがファウルをされ、そのショットが成功したとき:得点が認められ、さらに1本のフリースロー。
・ショットの動作(アクトオブシューティング)中のプレーヤーがファウルをされ、そのショットが不成功だったとき:2本または3本のフリースロー。
・ヘッドコーチが失格退場になるファウル:2本のフリースロー。
・ファーストアシスタントコーチ、交代要員、5個のファウルを宣せられたチームメンバー、チーム関係者が失格退場になるファウル。このファウルはヘッドコーチのテクニカルファウルとして記録される:2本のフリースロー。
 さらに、ファーストアシスタントコーチ、交代要員、5個のファウルを宣せられたチームメンバー、チーム関係者がチームベンチエリアを離れ、積極的にファイティングに参加した場合:
  −ファーストアシスタントコーチ、交代要員、5個のファウルを宣せられたチームメンバーに対する1回のディスクォリファイングファウルごとに:2本のフリースロー。
  全てのディスクォリファイングファウルはそれぞれの違反者に対して記録される。
  −チーム関係者に対する 1 回のディスクォリファイングファウルごとに:2 本のフリースロー。
  全てのディスクォリファイングファウルはヘッドコーチに対して記録される。
相手チームと罰則が等しく相殺されない限り、全ての罰則に含まれるフリースローは行われる。


39-3-5 ファイティングが起こったときや起こりそうなときに、ファーストアシスタントコーチ、交代要員、5個のファウルを宣せられたチームメンバーやチーム関係者の失格退場に対するファウルの罰則は全て有効であり、38-3-4の6項目に則り処置される。

ファイティングの規定は、ベンチエリアを離れたことだけだから「体の触れ合いをともわないファウル」だともいえそうではあるが、意図されるのは6項目なのだろう。ただ、この規定で不親切なのは、ファイティングの規定の罰則、39-3-1ですでにヘッドコーチのベンチテクニカルファウルであることを記載しているのにもかかわらず、39-3-5から38-3-4を参照し、そこでまたヘッドコーチのテクニカルファウルだと記載されている。前述の通り、テクニカルファウルやアンスポーツマンライクファウルは例外規定の条文があるもの、ファイティングの規定にはそのような記述はない。もちろん39-3-1で「失格・退場になった人数にかかわらず、罰則はそのチームのヘッドコーチに1個のテクニカルファウル「B」が記録される」とあるからシチュエーションでカウントするのはわからなくもない。でもちょっとわかりにくいように思う。

ファイティングの規定によるディスクォリファイングファウルやコーチに記録されるテクニカルファウルは、そもそもプレイヤーのファウルではない(交代要員やファウルアウトをした人は、チームベンチに座ることが許されている人であってプレイヤーではない)のでチームファウルとして数えない。(39-3-3、41-1-1、B8-3)

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