3期ぶりに3地区制にもどった、B1リーグが開幕する。その一方で、2026年からの新リーグが正式承認された。結局Bリーグはどうなっていくのだろうか。
3地区だけど、地域は偏っている
現状のBリーグをおさらいしておこう。そもそも2016年に、NBLとbjリーグが、合併してできたリーグだ。歴史をたどれば、JBL時代もあったし、スーパーリーグ時代、日本リーグ時代もあった。いずれにせよ、数年おきでリーグは変わっているのが日本のバスケだ。2026年を最後に落ち着くことを願いたい。
1967 全国実業団バスケットボールリーグ
1970 バスケットボール日本リーグ(名称変更)
1995 バスケットボール日本リーグ機構設立
2000 スーパーリーグ
2005 bjリーグ分裂
2007 JBL
2013 NBL
2016 Bリーグ(NBL,NBDL,bj合併)
2026 新リーグ
2022-23シーズンのB1リーグは、3期ぶりに3地区制で24チームだ。コロナ前は18チームだったのに、降格なしに2チームずつ昇格し続けた結果であるが。
東地区が、北海道、仙台、秋田、茨城、宇都宮、群馬、千葉J、A東京
中地区が、SR渋谷、川崎、横浜BC、新潟、富山、信州、三遠、三河
西地区が、FE名古屋、名古屋D、滋賀、京都、大阪、島根、広島、琉球
となる。東京は初年度から変わらずの2チームで、B2のチーム数の増減はあるが、B1はA東京(旧トヨタ)とSR渋谷(旧日立)が渋谷区にホームタウンを構える。(渋谷が付くチームは1チームしかないのに、ホームタウンが同じなのでSRが付いている)
一方の愛知県は、FE名古屋が初昇格を決め4チームと化した。これが、同県内の最多チーム数である。(B3まで含めれば東京が最多。)
また、見てわかる通り東(北)から順番に地区を割り振っていくので、同都道府県内が同じ地区にならないのも特徴である。
境目のあたりのチームは年によって所属地区が変わるなかなかに面白い制度であるともいえるのかもしれない。
地域で見てみると、東北は秋田と仙台、関西は滋賀京都大阪、中国は島根広島だ。
九州と四国はB1にチームがない。(B2にはいるが)これはラグビーのリーグワンと同じだが、昇降格がある以上致し方ないが、結局このような地域差は生まれるのだ。(福岡は高校は強いのに……)
だからこそ、新リーグ移行を目指したのだし、やりたいのだろう。
新リーグに参加するチームは?
参入条件は「平均入場者数4000人以上、新基準アリーナ(収容5000人以上など)の年間109日確保、売上高12億円以上」だ。
成績は求めないといっているので、結局これらをクリアできるかだろう。会員総会で合意形成ができている以上、チームが納得しているのでいいとは思うが、果たしてどれだけがクリアできるだろう。
基本的に参戦したいチームは、新アリーナ建設で動きそうだ。
A東京(優勝2回)
ここは経営基盤が「トヨタ自動車」で、港区に新アリーナ構想があることからも順当に参加するだろう。しかし、集客は課題か。(数年立川でやっていたりしたのもあるが)
売上高はスポンサー収入で何とでもなるのは大きいか。
宇都宮(優勝2回)
売上12億も達成しており、新アリーナを市がサポートすると表明しているので、順当にいけばクリアできるか。ただし、昨々シーズンは債務超過なのが気がかりだ。
千葉J(優勝1回)
新アリーナが来年にでき1万人収容。売上高21億で黒字化も達成しているのはさすが。営業収入も昨々シーズン決算はトップであり、順調そのもの。
琉球
地区優勝は多い琉球。すでに基準すべてをクリアしていることは大きなアドバンテージだ。
三河
アイシン主体のこのチーム。新アリーナもアイシン安城工場の近くに新設される。(アイシンの工場跡地)
現状愛知に4チームB1はいるが、一つ抜けているか。
アリーナ新設によって、刈谷から安城へ移動するのがどうなるかは気になるところ。観客数に課題はある。
名古屋D
名古屋枠はこちらだろう。もちろん地域条件なんてないのだが。
ドルフィンズアリーナと愛称がついている愛知県体育館は、2026年のアジア大会へ向けて移設新築される。使用権問題はありそうだが、基本的には大丈夫なのだろう。
スポンサーも三菱電機が主体のチームであり、大丈夫だ。売上も10億でもう一息だ
同じ名古屋をホームタウンにするFE名古屋は、現状も条件付きB1ライセンスでまだスタートラインに立てていないのだろう。
川崎
2021-22シーズンでも売り上げ14億で、順当に参加か。
東芝からDeNAへ経営が移行してからも1度も黒字化達成していないのは気がかりかもしれない。
都市圏人口を考えれば、川崎か横浜BCは入ってくるであろう。
北海道
6年連続黒字を発表し、アリーナ新設も検討中とのこと。折茂氏がオーナーとなったネームバリューを生かせるか?札幌圏人口を考えれば、うまくやれれば達成できるだろう。
大阪
関西圏で一番の売り上げを誇る。15億あれば十分だろう。アリーナ要件もクリアはしており、課題は入序者数だけか。
島根
山陰地区で売上7億は、検討しているといってもいいのだろう。
バンダイナムコが主体となり、昨シーズンはB1で初のプレーオフ進出を果たしたのは勢いがある?
しかしアリーナ要件が課題か。
広島
売上高8.8億なら、伸ばせれば行ける可能性はあるだろう。
人件費もかけた昨シーズンも地区6位だったのはどうでるか。クラブハウス、アリーナ構想とやる気はありそうだが。
SR渋谷
東京という首都圏だけあり、売上9億あれば伸ばす気になれば何とでもなりそう。
日立からセガサミーへ経営が移りどうなるか。アリーナは今年6月に課題といっており、初回参入は厳しいのかもしれない。
東北(秋田・仙台)
売上高から行けば、20-21シーズンで8億で手が届くのかもしれない。
今のところ公開されているのが20-21シーズンまでなので、昨シーズンまでB2にいた仙台よりは東北のなかでは可能性ありか。B2の売り上げは5億いくチームがないのでB1にどれだけ長い間いるかもキーなのかもしれない。(ちなみにB1 で信州、新潟滋賀、京都が5億台)
まとまらないまとめ
九州・四国はB1に上がれない限り厳しいのかもしれない。
ライセンス上はB1を持っている福岡や熊本は経済圏・都市圏を考えればいけなくもないとは思う。しかしB1とB2では明らかに営業収入に差があるのだ。
現行のB1~B3で審査するといっても、初回審査の段階でB1にいないチームはそもそもすべての条件を満たすのは困難だ。
そういった面で考えると、強さは関係がないといっても審査対象が今シーズンからであるのだから、どうしようもない。
そもそも初回審査の1次審査基準である、2期連続4000人以上の観客は、何チームが達成できるのか。千葉Jは問題なくクリアでき、宇都宮も単年では達成済み。川崎、琉球あたりが届くかどうがか。
2次審査でも1期になるだけなので、3次審査の3000名かつ12億以上、4次審査の3000名かつ9億以上あたりでチームを埋めることになるような気がしてならない。
10チーム初年度までに本当に集まるのだろうか。。。。
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